- カプコンがやばいと言われる理由
- カプコンで実際に働いていた人の口コミ
- カプコンの気になる年収、離職率
カプコンは「モンスターハンター」や「デビルメイクライ」「バイオハザード」など数々のヒット作を産み出しているソフトメーカーです。さらにゲームタイトルの映画化は国内のみならず海外にも配給している総合エンターテインメントの顔も持っています。
しかしネットでカプコンを検索すると「やばい」といったキーワードが表示されており、何が「やばい」のか気になるところです。
山田編集者
古代解説員
カプコンはどんな会社?
会社名 | 株式会社カプコン |
設立日 | 1979年(昭和54年) 5月30日 |
所在地 | 大阪市中央区内平野町三丁目1番3号 |
代表 | 代表取締役社長 最高執行責任者 (COO) 辻本春弘 |
資本金 | 332億39百万円 |
従業員数 | 連結 3,206名 単体 2,904名 |
公式サイト | カプコン公式 |
カプコンは、モンスターハンターやバイオハザードなどのビッグタイトルを手掛け、プレイステーションやSwitchなど複数のハードにゲームを提供しているソフトメーカーです。デジタルコンテンツに力を入れたりゲームの映画化も行ったりと、2021年度には過去最高の収益も記録しています。
もう一つの大きな特徴は、ゲームエンジンを自社開発している点。外注化せず自社開発しているため制作コストを削減でき、短い期間でのリリースができるのも強みです。
外注化しない分、優秀な人材を新卒で採用し育成できるかどうかが注目されるポイントとなっています。
カプコンがやばいと言われる理由。離職率が高い?
Googleでカプコンを検索すると、「やばい」というキーワードが表示されています。
山田編集者
古代解説員
カプコンがやばいと言われる注目ポイントは次の4つです。
- 離職者が多い
- ゲーム好きでないと続かない
- 22時まで残業代は出ない
- 代表作・ヒット作のあるなしでボーナスが違ってくる
古代解説員
離職者が多い
・中堅になると皆転職していく。成長を感じるより窮屈さの方が高い
・入れ替わりが非常に激しい。中途入社の人がハードワークしすぎて、辞めていく
引用 enライトハウス
カプコンでは2011年より開発者の拡充を進めています。目標は1500人だった開発者を2021年度までに2500人まで増やすことでした。
10年間で1000人増なので年100人の開発者を採用する必要があります。
山田編集者
プレイステーションなどのゲーム機のスペックが高くなり、開発者の人員も必要となってきた背景があります。
カプコンは外注に頼らず自社にて開発を行うため、開発費が抑えられるメリットがありました。
しかし人が多ければ良いというわけではなく、「質」も高める必要があります。このような背景から新卒者を多く採用し育成を行うといった取り組みを続けています。
ただし口コミにあるように中途採用の場合は、「即戦力」という考えからか育成レーンからは外れているようです。
そのため中途採用の中には、居心地の悪さや、ハードワークで雑に扱われていると感じている人が退職・転職をしているといった状況です。
ゲーム好きでないと続かない
ゲームがわからなくても大丈夫だったが、働いてみて分かったのは、やはり商品がわからないとかなり早い段階で限界を迎えること。
引用 enライトハウス
カプコンでは、世界的に人気のあるヒット作が多くファンがたくさんいます。さらにゲームに特化したファンだけではなくゲームを映画化したりグッズを販売したりすることでファン層の拡大も狙っています。
山田編集者
古代解説員
22時まで残業代は出ない
開発職は年俸制で残業含みの金額になっていますので、残業代は22:00からしか支給されません。
引用 enライトハウス
カプコン給料安くてヤベーな
上がっても安いな
残業代もいまだに出ないのかな— おおかみ (@ookami444) March 31, 2022
このゾンビさんにはきちんと残業代や出張手当やら出るのよね?カプコンさん
— きゃん。 (@9mmsw0rdcutlass) January 21, 2017
カプコンでは残業代について、ネガティブな意見が目立ちます。ネット上の投稿を参考にすると、残業については次のようになっている様子です。
- 22時以降ではないと残業代はもらえない
- 22時までには帰らければならい、それ以降残業するなら申請が必要
- 開発職は残業込みの給与体系
どうやら「22時以降に残業申請をした上で、残業代が支払われる」模様で、そもそも給与にはみなし残業代が含まれているとのこと。記事の後半でカプコンの年収の実態を紹介していますが、37歳で年収約700万円となっています。
古代解説員
代表作・ヒット作のあるなしでボーナスが違ってくる
カプコンでは、代表作やヒット作に携わっているかどうかで評価が大きく違ってきます。
評価はインセンティブとしてボーナスに関連するため、ゲーム開発を行っている部署では多額のボーナスがもらえるという話です。
・インセンティブボーナスがあるが、特に非開発の人は対象外になってしまう。
・インセンティブボーナスが年に一度あり、会社や所属チームの景気次第ではそれなりにもらえます。
・モンハンなどの売り上げの高いチームに入ればインセンティブがもらえるがそうでないプロジェクトに入るとあまりもらえないのでそこは運しだい。
・配属されるチーム、部署、上司による運の要素が強すぎる。 インセンティブ以外のベース給与に関しても、能力と給与が見合っていない人が多い。
引用 enライトハウス
裏を返すと、開発部門以外に配属されるとインセンティブはなくボーナスは少ないということです。
カプコンの悪い評判・口コミ。激務?
古代解説員
- 残業がかたよる
- 仕事と給料のバランスが合わない
- 病欠に厳しい
残業がかたよる
仕事量に波があり、繁忙期に関してはブラック企業顔負けの残業が発生したりすることもあります
引用 カンパニー通信
どうしても新作のリリース時期になると忙しくなるものです。残業時間まで触れていませんが、ブラック企業顔負けの残業量になると言うのは、ワークライフバランスを重視している人にとっては大変な時期になりそうです。
さらに先ほどお伝えしたとおり、22時まで残業代が出ないのも見逃せない点です。
山田編集者
仕事と給料のバランスが合わない
実力主義ですが、昇給額はあまり多くなく、自身がこなしている仕事と給料のバランスが見合っていないと感じていました。よくある話ではありますが、入社した時期により給料に差があり、その人と比べて自分の方が仕事量も多く重要なポジションを担っているにもかかわらず、給料の差が大きい事は不満に感じます。
引用 カンパニー通信
カプコンでは、入社したタイミングにより給料が違うという話です。これは会社の成長や毎年の売上高に違いがあるので当然と言えば当然の話です。
とはいうものの、念のため2003年に発表された 有価証券報告書 と2022年のものを比べてみましょう。
従業員数 | 平均年齢 | 平均年収 | |
2003年 | 1,162名 | 32.3歳 | 572.7万円 |
2022年 | 2,904名 | 37.3歳 | 712.7万円 |
山田編集者
病欠に厳しい
勤務時間はきっちり守られますし、残業が発生しても長く残っている方が効率が悪いとみなされる社風だったので、不要に残業することはありませんでした。コロナが広がった今がどうか分かりませんが、病欠に厳しく、病気になったのは普段の健康管理がきちんとできていないからという社風だったため、多少の風邪くらいなら無理して出勤するといった一面もありました。
引用 カンパニー通信
カプコンに限らず、病欠に厳しい会社は多くあります。
古代解説員
山田編集者
カプコンの良い評判・口コミ
古代解説員
- ホワイト企業
- ゲーム好きならたまらない会社
ホワイト企業
今まで主人が働いてきた会社の中では残業は少なく、有給も取りやすく、福利厚生も充実しているといった意味ではホワイト企業だと思います。一緒に働いているメンバーも仲良く楽しそうです。好きを仕事にしている=ブラック企業のイメージがありますが、ホワイト企業だと思います。
引用 カンパニー通信
「ホワイト企業」というのは人それぞれ感じ方に違いがありますが、企業としては「ホワイト企業」であることをアピールして優秀な人材を確保したいところです。
ゲーム好きならたまらない会社
有給休暇も積極的に取得できますし、残業をたくさんしようという社風でもなく、時間に関してはホワイトな企業だと思います。業務内容もゲームを触るような業務であれば、発売前のゲームをいち早く触ることができてゲーム好きの人にとってはたまらないものかと思います。ただ、給料が安いため、そこに不満を抱かなければ良い会社なのではないかと思います。
引用 カンパニー通信
給料が安くても、好きなゲームに触れることができ残業もそれほど多くないので自分にとっては良い会社とのことです。
悪い評判・悪い口コミでの内容と照らし合わせると社員の受け取り方や考え方によって会社の印象は大きく違ってきています。
大企業で社員も多いため、悪い評判や良い評判がたくさんあるのは当然ですね。すべてを鵜呑みにせず「こうした意見もある」と参考程度に捉えておきましょう。
カプコンの年収は低い?
カプコンの 有価証券報告書 によると、年収は次のようになっています。
この数字は残業やボーナス込みの数字です。
年度 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年収 |
2022年度 | 2,904名 | 37.3歳 | 10.7年 | 712.7万円 |
2021年度 | 2,841名 | 37.1歳 | 10.3年 | 603.4万円 |
2020年度 | 2,688名 | 37.1歳 | 10.2年 | 599.8万円 |
2019年度 | 2,530名 | 36.8歳 | 10.0年 | 588.5万円 |
2018年度 | 2,426名 | 36.6歳 | 9.8年 | 562.7万円 |
カプコンの働く環境を調査
続いてカプコンの働く環境について5つの項目を調査しました。
- オフィス環境
- 福利厚生
- 働きがい
- 年収
- 働きかた
山田編集者
古代解説員
オフィス環境
会社はとても綺麗で快適でした!自社ビルですし、食堂もあります。(社食はやや高いと思いましたが) 立地は、駅から近ければより良いですね。
引用 enライトハウス
カプコンのオフィス環境に関しては、大きな不満は見当たらず概ね満足できているという印象です。
その他にも次のような声がありました。
- せまい
- 休憩スペースがない
- マッサージルームがある
- 特に不満は無い
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福利厚生
・福利厚生を基本的なものしかなく、給料は最低賃金より数円高い程度です。昇給もあって無いようなもので、長年勤めている人も新人も同じ給料です。また少数で業務にあたる方針なのか増員などは行っていません。応募が出た時は辞めた人の分の補充と考えていいと思います。
・一般企業と比べて福利厚生が恵まれているとは言えませんが、必要最低限は整っていると感じます。
引用 indeed
他には次のような意見がありました。
- 夏休みが少ない
- 交通費が支給されない
- 不満は無い
- 施設はあるがあまり利用されていない
福利厚生と一言で言っても色々なものがあり、会社に義務づけられているものは次の通りです。
- 健康保険
- 介護保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 子供・子育て拠出金
これらは会社側が一部負担(中には全額負担するものも)し、導入しています。
しかし通勤交通費や住宅補助は任意で導入になるため、支給しない企業もあります。
ちなみにカプコンでは、通勤交通費の支給がないという口コミがありましたが、 2023年のカプコンの採用情報 を確認すると、通勤手当の記載があるので2023年現在では通勤交通費は支給されている模様です。
引用 リクナビ
働きがい
・やりたいことができる部署に配属されれば、とことんスキルアップできて成果も残せるため、やりがいのある職場
・ゲームを作り上げたときの喜びは何にも変えられません
引用 indeed
カプコンでは、ヒット作に関われるかどうかで働きがいに差が出ています。上記の口コミ以外に、社員の声では次のような声もありました。
- 社員はいつも疲れている
- 査定があいまい
- ビッグタイトルに関われるとやりがいは大きい
参考 enライトハウス
またカプコンに特化せず、令和元年版厚生労働省による「労働経済の分析」のアンケート結果を見てみると、「働きがい」を強く感じるためには次の3つが大切といった結果になっています。
- 仕事を通じて成長できている
- 仕事への自信が高い
- キャリアの展望が明確になっている
山田編集者
年収
年収アップはあまり期待できない
引用 indeed
記事の最後「年収の実態」でお伝えしている通り、カプコンは年収も増加傾向です。しかし現場の社員の声では次にあげたように、安い・給料があがらないという声も目立ちました。
- スキルがないと給料はあがらない
- 業界では少ないほう
- ヒット作がでるかどうか次第
働きかた
チームによりピンキリですが、定時に帰れるチームは無いと思われます。根本的に仕事量が多いため、毎日定時に帰るのは困難です。周りの人が遅くまで仕事をしているのを無視して帰ることができる人ならば可能です。
引用 indeed
カプコンでは配属部署によって働き方は大きく変わってしまうというのが、社員の声から分かります。
- ルールが少なく働きやすい
- できる人に仕事が集まる
- 休日出勤はあまりない
- 休日に電話がかかってくる、出ないと怒られる。
- 配属されるチームによって雰囲気が大きく違う
参考 enライトハウス
休日出勤が少ないという意見もそこそこ目立ち、時代にあった働きかたにシフトしていっている様子。国内では、女性の就業人口が増加していたり、男女ともに平均就業時間が減少傾向にあったり働き方に変化が見えてきています。
長時間勤務や深夜にわたる残業などの「働きかた」を見直していく企業も増えてくることでしょう。
まとめ
カプコンがやばいと言われる理由や年収・社員の本音について解説しました。
カプコンは自社開発を軸としているため、新卒者による優秀な人材確保(「離職者が多い」の章を参考)を行ったり人材の流出を防ぐために年収の引き上げ(「年収の実態」の章参考)にも取り組んでいたりします。
しかし社員の間では、不満が多いのも見て取れました。
- 部署によるボーナス額の違い
- 仕事量と給与のバランス
- 残業手当についての不満
社員数は年々増加していますが、社員の平均年齢はあまり変化はありません。
つまり中堅〜シニアの世代の離職者が多いということの裏返しになります。
先に挙げた社員間の不満は、世代間での待遇の違いも影響しているのかもしれません。
古代解説員
山田編集者