日本電産（ニデック）は何がやばい？年収が低い？ブラック？口コミ・評判から解説

2023年で創業から丸50年を迎える老舗電機メーカー・日本電産は、2023年4月1日にニデック株式会社に社名を変更いたしました。

精密小型モータの開発・製造においては世界一のシェアを誇り、今や日本が誇る大企業の一つに数えられます。

一方で、日本電産を取り巻く環境は決して良い噂ばかりではありません。日本電産をGoogleで検索すると表示されるのが、「やばい」というキーワード。

出典：Google検索「日本電産」

いろいろな意味で“やばい”と言われる所以はどこにあるのでしょうか？

日本電産（ニデック）はどんな会社？

ここからは、日本電産がどんな会社なのかを深く掘り下げていきたいと思います。まずは会社概要をご覧ください。

やばいと評判の日本電産ですが、2023年7月で創業50年を迎える老舗です。創業時は現会長含め社員4名、小さなプレハブ小屋からスタートした巨大企業ですが、今でも当時の創業精神を大切にしています。創業者の永守重信氏が現在も現役で会長職に就いており、本社ビルに創業時のプレハブ小屋がそのまま展示されています。

日本電産は宗教？こんな社風

日本電産は「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」などハードワークを求める社風が印象的です。過去10年外部の人材を招いて社長に登用していたものの、その厳しさから次々に退任。現在では外部ではなく内部の人材から社長に登用することを目指し、人材育成に取り組んでいます。

参考：ITmedia エグゼクティブ

日本電産の社長・会長はこんな人

2023年3月時点の現社長は、創業当初から現会長の側近を務めている小部博志氏。現在では“永守イズム”の継承者を求め、2024年の新社長決定までの間に内部人材の育成に力を注いでいます。

そして、会長は創業者でもある永守重信氏。1日16時間、年間365日働く人物として知られ、どの社員よりもハードワークな生活を送っています。

過激な労働や発言でたびたび“やばい”と表現される人物ですが、経営不振に陥った企業を買収して再建したり、個人が筆頭株主になることで経営不振に陥った企業を再建したりと、並外れた実力と実績を兼ね備えています。

参考：ITmedia エグゼクティブ

日本電産は2030年に売り上げ10兆円を目指している

日本電産は、創業当初から貪欲なまでに成長を求め、発展を遂げた大企業です。現在では、2030年の売上10兆円を目標に掲げています。

前述のとおり、2021年3月時点の日本電産の売上高は約1.9兆円。これを10年足らずで5倍に引き上げるのは無理があるように感じられますが、有言実行型の経営スタイルだからこそ“ホラ”も現実になるのではないかと世間の注目を集めています。

参考：日経XTECH

日本電産へ転職・就職する方法

日本電産では新卒採用とキャリア採用を実施しています。

新卒採用の場合、日本電産のエントリーページ、もしくは各就職サイトからエントリーし、2〜3回の選考を経て内々定がもらえるフローです。任意ですが、会員サイトに登録すれば限定公開の情報も得られるので就職を考えている人は登録をおすすめします。

キャリア採用の場合も、日本電産のエントリーページ、もしくは各転職サイトからエントリーし、書類選考、募集部門もしくは人事による面接（1〜2回）を経て内定がもらえるフローとなっています。

日本電産（ニデック）がやばいと言われる6つの理由

≪理由１≫離職率がやばい｜将来性なく辞めたい人が大量退職？

転職サイトVokersでは、日本電産を離職した人から次のような口コミが投稿されていました。

離職理由に多く挙げられていた“将来性のなさ”。とはいえ、業績においては2030年に売上高10兆円を目指しているとあって現時点で将来性がないとは言い切れず、人事制度においても個人の主観が反映されやすいです。

日本電産の離職率は7.6％（※）であり同業大手では高水準ですが、全国の製造業の離職率9.6％に比べると低く、“やばい”の意味を100％ネガティブに捉える必要はないと言えます。

≪理由２≫手当・福利厚生がやばい｜勤務地手当や家族手当はない？

就職・転職するうえで重視したい各種手当や福利厚生について、一部の口コミでは「勤務地手当や家族手当はない」「実際には福利厚生がほとんどない」という投稿が目に付きます。

ちなみに、日本電産が公開している福利厚生や手当は次の通り。

以上のように、勤務地手当や認可外保育料補助手当などがあるため「勤務地手当や家族手当はない」という口コミは事実ではないことがわかります。また、福利厚生についてもここでは書ききれないほど充実しています。

社員持ち株制度や借り上げ社宅制度などは、法律で定められていない企業独自の制度です。社会保険のような法定福利費と違い、条件によっては利用できない、国税庁に認められないことも想定されるため、ケースバイケースと言えるでしょう。

≪理由３≫年収がやばい｜業績が高いのに年収低いって本当？

日本電産への就職・転職を希望する人にとってはずせないのが、年収についてです。基本的に製造業の年収は低い（約374万円）と言われていますが、日本電産の平均年収は645万円とされており、製造業界においては平均年収より高いことがわかります。

一方で「日本電産の年収は年々下がってきている」という噂も耳にします。年収が下がる主な要因として考えられるのは、業績の変化によるもの（後述）と、働き方改革による残業削減です。

また、日本電産の給与は年功序列と評価を基本としているため、20代前半の社員であれば年収300万円台もザラではないでしょう。

≪理由４≫採用大学がやばい｜実際の就職難易度は？

日本電産の採用実績校について、就職四季報2023年版に掲載されている内容から分析してみましょう。

引用：シキホーMine

以上のように、偏差値60を超える大学も多いことから高学歴が求められる様子です。また、文系よりも理系が多い印象も受けます。採用倍率は約7.69倍というデータもあり、決して低くはないでしょう。

一方、日本電産の現会長は

「一流大学卒も三流大学卒も10年後の成果に差異はない」「IQよりもEQ（※）が大事」

引用：PRESIDENT Online

と言及しています。これは実際に社内で調査した結果、また別の企業を買収した際もリストラを出さず立て直した実績による答えです。

（※IQ…知能指数、EQ…感情指数の意）

≪理由５≫疑惑・事件がやばい｜インサイダー取引疑惑があるのは本当？

2022年10月、一部メディアで日本電産のインサイダー取引疑惑が取り沙汰されました。自社株買いの条件変更について会長が関与した疑いがあると報じられたことに対し、日本電産は事実無根を主張。損害賠償と記事の削除を求めてメディア側を提訴しています。

この一連の疑惑・騒動から“日本電産＝やばい”の構図が生まれた可能性はあるでしょう。

≪理由６≫業績がやばい｜予想利益を大幅下方修正は本当？

2030年に売上高10兆円を目指している日本電産ですが、2022年度の第3四半期決算においては予想利益を大幅に下方修正し、業績の悪化が懸念されています。

業績悪化の主な原因は、車載事業の赤字。今後は電気軌道者に向けた駆動システムの販売に注力することで事業の黒字化を目指すとのことです。

日本電産（ニデック）はブラック？口コミ・評判から解説

2023年3月、元幹部社員やその他社員による告発記事がリリースされ話題を呼びました。内容は「現会長に対する過剰な忖度が蔓延している」「物品の購買は5回値切る社内ルール」といったものです。

元幹部社員が語る会長への忖度

元幹部社員のAさんは、国内の大手製造業から日本電産へ転職。その当時から会長に対する過剰な忖度が蔓延した会社だと感じ取ったのだとか。

例えば、食事に関しては下記のようなエピソードがあります。

永守さんの著書に、時間がもったいないから食事では早飯をせよと書いてあったので手早く済ませたのです。永守さんから『おまえ、早いな』と声をかけられましたが、問題は食後。秘書室の社員から『なぜ早く食べたのか』と言われ、『会長が弁当箱の蓋を開けてから蓋を開け、会長が箸を置いてから箸を置くように』と指導された。ここまで細かく言われるのかと驚きました

引用：マネーポストWEB

さらに、業績が伸び悩んでいる車載事業本部においては激しい叱咤も。

しかも土日は永守さんから幹部に一斉メールが次々と送られてくるので、これに即座に回答しなければなりません。精神的に全く休めませんが、永守さんは『代わりはいくらでもいる。休みたい奴は辞めろ』と公言しています

引用：マネーポストWEB

会社全体に疲弊感が広がったことを受け、車載事業本部の責任者でもあった前社長が週末も業務に追われる習慣をなくすよう、現会長に進言。これに反発した現会長が前社長を退任へ追い込んだと主張しています。

元社員が語る独自の社内ルール

次に日本電産にて課長職にいた元社員Bさんによる証言をご紹介します。

「社員になると、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」など永守氏の経営理念をまとめた小冊子「挑戦への道」が配布される。冊子にはシリアルナンバーが振られ、社外に持ち出すことはできない。待っているのはこの小冊子の輪読会だ。

部署ごとに4～5人で『今日はどこそこのページを読もう』と決めて読んだ後に、感想を発表しあうのです。」

引用：マネーポストWEB

「困ったのが物品の購買にあたって「5回値切り交渉をする」という社内ルール。徹底的に経費を抑え込むことをよしとする永守氏の考えに基づいたもので、上司の決裁を得るには稟議書に値切り交渉の履歴を添付しなくてはならない。」

引用：マネーポストWEB

さらに告発するのは、同じく課長職にいた元社員Cさんです。

「日本電産では四半期ごとに社員を5段階で評価する。それも絶対評価でなく、全体の10％に1、20％に2をつけるといった相対評価をしなくてはならなかった。

「1や2の評価が出ると給料やボーナスに大きく影響するため、若い社員が意欲を失って辞めてしまいかねない。そのため管理職は部下に『今回だけだから勘弁して』と言って順繰りに1や2の評価をつけているのが実態です。」

引用：マネーポストWEB

経験のあるベテランが育たない環境に、Cさんは将来性を見失った様子です。

日本電産（ニデック）の年収は低い？同業他社と比較検証！

ここまで日本電産がやばいと言われる理由を口コミ・評判から検証していきました。

しかし、口コミや評判といったそれぞれの感じ方での検証は、時に悪い部分だけがクローズアップされることもあるでしょう。

そこで具体的な数値で同業他社と比較し、なぜ日本電産はやばいという評判が出てきてしまうか検証していきます。

引用：ニデック（日本電産）公式サイト：採用情報　 IT転職ナビ：日本電産株式会社　日本電産（ニデック）公式： 決算短信〔IFRS〕　type.：日本電産株式会社　PASONA:日本電産株式会社　PASONA：㈱村田製作所　マイナビ転職エージェントリサーチ：日本電産株式会社　マイナビ転職エージェントリサーチ：㈱村田製作所　村田製作所公式サイト：採用情報　エンジニアHub：京セラ株式会社　京セラ公式サイト：募集要項　京セラ公式サイト：雇用条件・福利厚生

他の競合他社と比べると、残業時間や初任給、有給消化率など、際立って差がないように感じます。しかし、平均年収に関しては100万近く同業他社よりも少ないため、その点だけクローズアップされてしまい、やばいという噂が出てしまったのかもしれません。

日本電産（ニデック）の口コミ・評判

日本電産が悪い意味で“やばい”と言われる理由について、2ch掲示板で書き込まれていた口コミを紹介します。

インサイダー疑惑？

インサイダー疑惑の記事やばいなぁ。。。

なんか今後もいっぱい出てくるんじゃないか？。。相当恨み買ってるんだな。。

引用：5ch

前述のインサイダー疑惑に関する口コミ。

入社した人数の倍退職者が出ている

毎月、退職者が入社する人の数倍いるよね。

ついに社内情報にも幹部しか載らないし、相当やばいんだろうな

仕事量増えてるのに人はいなくなる。しかも滋賀は16:30から暖房切るとか言ってるし。早いとこ逃げ出さねば。

引用：5ch

たしかに、日本電産の平均勤続年数は10.4年、平均年齢36歳というデータから、人材の入れ替わりが多い可能性は否定できません。

中途入社の質がやばい

転職で入ってくる人たちの質はどんどん下がってるよね。

まじでやばいと思う。まともな人は入ってこないし、入ってきて定着する人たちはちょっとズレてる人が多い

引用：5ch

退職者の数に比例して中途入社の社員も多い日本電産。個人的主観も強く、独特な社風にすぐに馴染めない事情もあるでしょう。

激務なうえにサービス残業状態

すでに辞めた人間なんですが、当時サービス残業で多い時で月100くらいやってて、社員時代の未払い分を請求する事は可能ですか？

引用：5ch

日本電産は働き方改革により残業をなくすよう取り組んでいますが、現実はサービス残業という形で“タダ働き”しているという口コミも。

飲み会に断れないなどのパワハラがあった

日本電産には、パワハラがある。

評価1を付けるぞ！とか言われて、辛いです。

貴方にそんな権限ないでしょうに。

飲み会に誘われなかったら、リストラ対象なのでご理解いただけますようお願いします。

自殺もほのめかされた(´・∀・｀)

引用：5ch

以前、日本電産の元社員が現会長によるパワハラ経営について告発した記事が出回りました。一方、現在はコンプライアンス意識が非常に高く、ブラックな印象を払拭する取り組みも見られます。

日本電産（ニデック）への転職・就職がおすすめな人

ここまではネガティブな意味で日本電産の“やばい”実情に迫りましたが、近年では女性管理職の数も増え、コンプライアンス意識も高くなりブラックな印象を払拭しつつあります。

では、日本電産の業務や社風に適しているのはどのような人材なのでしょうか。公式の社員インタビューからご紹介します。

自分と会社の両方を成長させたいチャレンジ精神溢れる人

面倒見の良い上司や先輩社員が多く、ミスをしても挽回してもらえるとのこと。チャレンジ精神を持ち「自分と会社の両方を成長させたい」という野心的な人に向いています。

探究心が強い人

“ものづくり”には常に新しい知識が必要なため、探究心や吸収力が強い人に向いています。ものに対する研究だけでなく、自己分析ができるかどうかも重要視されます。

コミュニケーションが得意な人

製造業では責任感とコミュニケーションがとても大切。特にコミュニケーションは、さまざまな価値観や考えを持った人と円滑に仕事を進めるためにも必要な能力です。自分の考えをきちんと主張し、相手の考えを素直に受け入れ共感できる人が求められます。

まとめ：売上高は10兆円に到達必至？勢いがやばい日本電産

日本電産は、大量退職や前社長の更迭などが話題となり、良くも悪くも“やばい”と言われることも多いです。とはいえ、一代で巨大企業に築き上げた会長の理念は本物であり、ものづくりに関心のある人や成長を追い求める人にとっては刺激的な企業と言えるでしょう。