武田薬品は何がやばい?潰れる?評判を解説

武田薬品がやばい理由は?

武田薬品のまとめ
  1. 1925年に設立して以来100年近く続いている製薬会社
  2. 2年連続で実質大規模なリストラがあった
  3. 年収は平均より高めで周りよりも高収入を期待できる

武田薬品は2021年、「ベンザブロック」「アリナミン」といった商品を開発していた子会社を売却しました。

そもそもなぜ売却に踏み切ったのでしょうか?それほど経営が悪化しているのか、何か長期的な戦略があるのか謎は深まります。

武田薬品について、調べてみると「やばい」噂を多く目にすることになりました。

古代解説員

今回はそんな武田薬品について何が「やばい」状況を作っているのか、子会社売却の謎も含め理由を解説します。
高年収でかつ、世界的な規模を持つ武田薬品の隠れた部分を掘り下げていく内容となっています。

山田編集者

武田薬品はどんな会社?

会社名武田薬品工業株式会社
所在地グローバル本社  東京都中央区日本橋本町2丁目1-1
大阪本社  大阪市中央区道修町四丁目1番1号
設立1925年 ( 大正14年 ) 1月29日
従業員数5,149名 ( 単体 ) ※2022年3月末時点
連結従業員数47,347名 ( 連結 ) ※2022年3月末時点
資本金1兆6762億円 ※2022年3月末時点
代表取締役社長CEO クリストフ・ウェバー
平均年齢41.5歳
公式サイト 武田薬品工業株式会社公式

武田薬品は1925年に設立して以来100年近く続いている製薬会社です。

国内の製薬業では首位をほこり「オンコロジー(がん)」「消化器系疾患」「希少疾患」を中核とし、2019年には「シャイアー」を巨額買収し世界売上では10位になるまで成長しています。

武田薬品の年収

武田薬品での年収を紹介します。武田薬品の有価証券報告書によると次の通りとなっています。

年度平均年齢平均年間給与
2021年度42.4歳1,105.1万円
2020年度42.0歳1,076.6万円
2019年度42.2歳1,091.1万円
2018年度41.5歳1,094.0万円
一見、高年収のように見えますがどうなのでしょうか?

山田編集者

古代解説員

大阪府に本社をおく企業でみると、武田薬品は大阪府で第3位となる高年収に位置します。また薬品会社でデータをみると、武田薬品は8位となっています。

引用  ダイヤモンド・オンライン

いずれにしても、高年収の企業であることに間違いはありません。

 武田薬品はやばいと言われる理由。

 武田薬品はやばいと 言われる理由

武田薬品はやばいと言われる理由
  • 大規模なリストラ
  • 膨らみつつある借金
  • 株価の低迷
  • 事業を売却するほど経営がやばい?
  • 役員や社員のグローバル化
  • 年収は低い?

Googleで「武田薬品」を検索すると「やばい」といったキーワードが表示されます。

この章では、武田薬品がやばいといわれている理由を掘り下げ、詳しく解説を行っています。

調査を行うと本当に「やばい」状況であることがわかりました。

Google関連キーワードの検索結果

引用: Google

大規模なリストラ

武田薬品ではフューチャー・キャリア・プログラム(FCP)と呼ばれる「早期退職者」の募集を行いましたが、実際は大規模なリストラであり、さらに2年連続で行われたことで業界を激震させました。

概要は次の通りです。

大規模なリストラの概要
  • 2020年実施のFCP(フューチャー・キャリア・プログラム)
    ・対象は30才以上のMR
    ・500人以上の社員が応募
  • 2021年実施のFCP(フューチャー・キャリア・プログラム)
    ・管理部門「タケダビジネスソリューション」に所属する42才以上が対象
    ・応募者数は不明

MRとは、自社で開発した薬の情報を病院や医師、薬剤師の人に提供する仕事です。薬を売り込む仕事ではなく「情報を提供」する仕事です。

とは言え、病気に効果のある薬であることの分かるデータを提供をすることで結果的に売上に貢献していくことになります。

武田薬品ではこうしたMRの社員に対し「早期退職」の募集を行いました。

早期退職者募集の何が「やばい」のでしょうか?

山田編集者

古代解説員

武田薬品のフューチャー・キャリア・プログラム(FCP)と呼ばれる「早期退職者」の募集は、実施上の退職勧告つまりリストラのようなものでした。もしも勧告に応じない場合は、部署異動や業務変更もあり得るという忠告があったため「やばい」と言われています。

さらには、2年連続の実質上のリストラは国内で初めてということもやばいと言われた要因の一つです。

膨らみつつある借金

武田薬品の財務レバレッジは約2.49倍(21年3月期)となっており、他の国内製薬会社大手5社 の平均1.48倍と比較しても良い数字とは言えません。

古代解説員

財務レバレッジとは、株主などが出資した資金の割合を数値化したもので「総資本÷自己資本」で算出します。数値が高ければ、自己資本以外の比率が大きいという事になります。
自己資本以外の比率が高いという事は、借金が多いということですね。

山田編集者

以下が具体例です。

自己資本他人資本(負債)総資本財務レバレッジ
A社2,000万円500万円2,500万円1.25倍
B社2,000万円1,000万円3,000万円1.5倍

A社とB社の自己資本は同額ですが、他人資本の額が大きいB社のほうが財務レバレッジの数値も大きくなっています。

財務レバレッジの比率が高いと借金が多いという事ですね。

山田編集者

古代 解説員

武田薬品は、財務レバレッジは約2.49倍となっており借金が多い会社と言えます。
どうして武田薬品は借金が膨らんでいるのでしょうか?

山田編集者

武田薬品は大型の企業買収を実施している

大型企業買収の結果、買収した企業の「商標権」「特許権」「独占販売権」「研究開発費」などの無形資産が膨らみます。

会社は利益をださなければ何の価値もありません。武田薬品では、無形資産が約8兆円と巨額になっています。

これだけの買収には多額の費用が発生します。買収費用に足りない分は借金で補填しています。

借金をしてでも大型企業を買収している理由は、「新薬開発ごと買収」することで、新薬の開発コストを下げる効果が期待できるからです。

もちろん新薬の開発に失敗すると巨額負債を抱えてしまうといったリスクがあります。

さらに研究開発費約5,200億円 (2022年3月期)を投じているのも借金が膨らんでいる理由でしょう。

古代解説員

とは言え、世界規模でみるとメガファーマと言われている製薬会社大手5社 の財務レバレッジは平均2.84倍。武田薬品の2.49倍より高い数値となっています。
一概に借金の多い会社とは言えませんが、それでも今後の経営に不安があります。

山田編集者

株価の低迷

海外の大手製薬会社を買収したり、経営トップに外国人を起用したり、武田薬品は世界有数のメガファーマーに成長しています。

しかしその割に株価は低迷した状態が続いています。

発端は2019年にアイルランドの製薬会社「シャイアー」の買収です。約7,000億円あった負債が、「シャイアー」の買収後、一気に約5兆円まで膨らみました。

さらに「シャイアー」の買収により新薬の開発をする予定でしたが、うまく行かず新薬開発を断念することになってしまいました。

古代解説員

結果として、負債が膨らんでしまい株価も低迷しているといった自体になっています。

事業を売却するほど経営がやばい?

武田薬品では2021年に「ベンザブロック」「アリナミン」といった商品を扱っていた「武田コンシューマーヘルスケア」を売却しました。

売却の背景

武田コンシューマーヘルスケアは近年赤字が続いており、打開するには巨額な投資が必要という結果に陥りました。

しかし、武田コンシューマーヘルスケアが扱っている大衆向けの薬は「武田製薬」にとって主戦力商品ではありませんでした。

その結果、中核を担っていない「武田コンシューマーヘルスケア」は売却するという経営判断となったのです。

武田薬品が主戦力としてあげている薬は、次の病気や症状に対して効果が期待できるものとなっています。

効果が期待できる症状や病気
  • 消化器系疾患
  • 希少疾患
  • 血漿分画製剤
  • オンコロジー(がん)
  • ニューロサイエンス(神経性疾患)

とは言え、実のところ先ほど解説したように武田コンシューマーヘルスケアの売却は、「巨額な借入金の返済」が狙いという噂も出ているため、武田薬品は「やばい」と言われています。

役員や社員のグローバル化

2022年12月現在、武田薬品の社長は「クリストフ・ウェバー氏」で2014年より社長の座についています。そうした背景もあり、武田薬品のグローバル化は急速に進んでいると言えます。

武田薬品の社員の中で挙がっている声は次のとおりです。

役員や社員のグローバル化
  • 上層部に外国人が多い
  • 完全に外資企業
  • 経営陣が外国人
  • ダイバシティが積極的に行われている

古代解説員

ダイバシティとは一言で言うと多様性。「価値観の違い」「言語の違い」「性別や年齢の違い」などを受け入れ、組織の活性化や均等に雇用機会を増やす取り組みをさします。
社員の間でもグローバル化やダイバシティについては話題となっているようですね。

山田編集者

またクリストフ・ウェバー氏の後任も外国人になると噂されています。

MEMO

グローバル化により、実力主義の加速、事業再編成によりリストラも加速し社員にとっては結果を出さなければならないというプレッシャーは大きくなっていくばかりです。

年収は低い?

武田薬品は「経営陣のグローバル化の波」「借入金の圧迫」「特許の期限切れ」など好材料に乏しく新たなリストラや年収減なども有り得るかもしれませんが、現時点において年収が低いということはありません。

古代解説員

詳しい年収額については、記事の後半でお伝えします。

製薬会社は不景気に左右されにくいため安定している業種です。

「新薬」の開発が大きな収入の軸となり、製薬会社では「新薬」開発=パイプラインが重要とされています。

しかし、いずれは新薬の特許も切れるため、複数のパイプラインが必要不可欠です。

武田薬品は今後特許切れとなってしまう薬も多く、将来に不安があるのは事実です。

複数のパイプラインを手に入れたいため、企業買収に踏み切っています。

新薬の開発ごと会社を買収するというわけですね。

山田編集者

古代解説員

しかしその結果が表れてこないと、将来的に多くの借金が残ってしまう危うさが懸念されています。

潰れる?武田薬品の悪い口コミや評判

武田薬品の悪い口コミや評判

古代解説員

武田薬品の悪い口コミや評判を紹介します。激務な仕事や残業の増加による内容が目立っています。
武田薬品の悪い口コミや評判
  1. 心身を病んでしまう
  2. 今後の見通しが持てなかった
  3. 将来性が見えなかった
  4. サービス残業が多い

心身を病んでしまう

患者様を第一に考えているその姿勢は好感が持てる。だが、身心が病んで辞めていく方が多い。

引用  enライトハウス

理由は書かれていませんでしたが、心身が疲れ果てて辞めてしまう人が一定数いるようです。

今後の見通しが持てなかった

成長・キャリア開発:契約社員での入社だったので成長、キャリアアップはできないと思います。

引用  enライトハウス

契約社員の場合は、出世が難しいという内容です。職場環境や職種によるやりがいの違いなど興味深い意見です。

将来性が見えなかった

大規模リストラを目の当たりにし、将来が不透明なため退職を検討した。

引用:OpenWork

リストラや借金等、経営状態に対し不安な内容が相次いだことから「潰れるのではないか」という将来を不安視する声が出てきたと思われます。

サービス残業が多い

仕事内容自体が改善されたわけではありませんので、仕事内容は変わらず残業を削減しないといけないのが現状です。その結果サービス残業の増加、休憩時間の減少、出社時間が早くなってしまっているという問題が発生しています。

引用  カンパニー通信

見た目には残業が少なく見えますが、勤務時間に反映されないサービス残業が多いといった不満です。

「サービス残業自体は違法」なのですが、社員が自分の意思で早出をしたり、残業をしたりとなると違法であることの証明が難しくなります。もちろん会社はこうしたサービス残業は放置せずしっかりと管理する必要があります。

古代解説員

サービス残業に対して何らかの対応がなされていないとなると問題ですね。

武田薬品の良い口コミや評判

武田薬品の良い口コミや評判

一方良い口コミについても紹介します。

山田編集者

古代解説員

働いている人の考え方や捉え方は様々ですので、悪い評判も良い評判も色々な意見があります。
武田薬品の良い口コミや評判
  1. 風通しがいい
  2. 魅力的な女性が多い

風通しがいい

外資と内資がブレンドした社風。組織体制・コミュニケーション:風通しが良いように感じる。

引用  enライトハウス

多様性が働きやすいと感じている人もいます。コミュニケーションが得意な人にとっては、意見交換の活発さがプラスになる例として参考にしてください。

魅力的な女性が多い

女性社員が多く、ダイバシティの推進も行っているためなのか前向きで魅力的な女性が多いとのことです。

女性にとっては働きやすい環境なのでしょう。

山田編集者

武田薬品にパワハラはある?

武田薬品にパワハラはある?

社員の口コミではパワハラといった話はなく、特に最近はグローバル化がすすみコンプライアンスも重要視されているため気にする必要はありません。

ただバブル期の世代のころは体育会系の雰囲気で、それなりに厳しいことも言われていた模様です。

もちろん大企業であるため、「パワハラ」まがいの発言や行動をする社員はすくなからずいるものです。

古代解説員

もしパワハラ行為を感じた場合は、上司や周りに相談しましょう。
武田薬品社員による職場の雰囲気について列挙しますので参考にしてください。

山田編集者

社員からの口コミ
  • 以前は体育会系
  • 早期退職制度ができてから社内の雰囲気はぎすぎすしている
  • 上下関係はそれほど厳しくない
  • 新入社員は大切にされる
  • 数字に関するプレッシャーは大きい
  • グローバル化しているが、体質は古いまま
  • 派遣社員の立場は弱い 正社員のみ評価
  • 実力主義
  • ダイバシティの風が強く吹いている 転勤なども厳しくなりそう
  • 風通しがいい
  • コンプライアンス重視の職場
  • 20年前よりは風通しはいいが、成果主義でやる気が必要

武田薬品に向いている人の特徴

武田薬品に向いている人の特徴

古代解説員

武田薬品の特徴や社員の声、評判を解説しました。それらを踏まえ、武田薬品に向いている人の特徴をとりあげます。
武田薬品に向いている人の特徴
  • チャレンジ精神のある人
  • 英語力が高くグローバルな視点を持っている人
  • メリハリのある働き方をしたい人

チャレンジ精神のある人

武田薬品では、社内公募があるため「仕事に前向きな人」「チャレンジ精神のある人」にとっては、働きがいのある職場です。

社内公募とは一種の人事異動です。一般的な人事異動とは異なり、人材を必要としている部署が募集をかけ希望者が手を挙げる仕組みとなっています。

武田薬品のように社員の積極性を重視し、実力のある社員を評価する制度を取り入れている会社も多くなっています。

企業も高齢化が進み「年功序列」による給与負担を避け「実力主義」「成果主義」へ移行しつつあります。

MEMO

その結果若い社員でも出世したり、高年収になったりするチャンスも出てくるため、チャレンジ精神のある人にとっては面白い会社になることでしょう。

英語力が高くグローバルな視点を持っている人

外国人を多く雇用している武田薬品では、コミュニケーションに英語が必須となってきています。

自分の意見をはっきりと言え、外国人とも臆することなくコミュニケーションがとれる。そうした人材にとって武田薬品は働きがいのある会社です。

入社にはTOEICで730点以上が必要とのことです。

メリハリのある働き方をしたい人

コロナ禍の影響もありますが、武田薬品では土日の出勤も少なくリモートによる対応も多くなっています。仕事で徹夜になったり、プライベートな時間を確保できなくなったりするような働き方は歓迎されていません。

ダラダラ長時間働くより、仕事の時間とプライベートの時間を切り分けることのできる人に向いている企業です。

まとめ

武田薬品がやばいと言われている理由を解説しました。その中でも気になるのは次の内容です。

武田薬品の気になる点
  • 大規模なリストラの実施
  • 企業の買収で膨らみつつある負債
  • 借金返済のため事業の売却を断行
  • 株価の低迷がやばい
武田薬品は、日本は元より世界屈指の製薬会社となっており、世界中から今後の動向が注目されています。

山田編集者

古代解説員

また高収入で安定もしているように見える武田薬品ですが、多額の負債を抱えどのように巻き返しをはかるのかが、大きなターニングポイントになっています。