- 東芝テックはPOSシステムと複合機を扱うプリント事業を軸にした東芝の子会社
- 東芝テックがやばいと言われる理由
- 東芝テックの 社員の評判やリストラの真相を解説
東芝と聞くと、巨額債務・大規模なリストラといった過去があり「やばい」企業といったイメージが拭いきれません。
さらに東芝の子会社である東芝テックにおいても、大幅赤字やリストラといった「やばい」話題が上っています。
今回は東芝テックが抱える大幅赤字の原因やリストラの原因などの解説とともに、東芝テックの社員の口コミによる会社の現状を掘り下げていきます。
山田編集者
東芝テックのやばい話
東芝テックには「やばい」話題が多くありました。中でも大幅な赤字やリストラに関しての内容は、かなり気になるところでしょう。
大幅赤字でやばい
東芝テックは2021年度に人員削減(いわゆるリストラです)に伴う特別損失で60億円を計上、2023年度は特許権をめぐる訴訟により和解金として69億円の特別損失を計上しています。
2023年度の決算では、当初約80億円の黒字と予測していましたが、この特許権の和解金支払いにより黒字から一転、約25億円の赤字になる予想に変わりました。
東芝テックは「やばい」存在
東芝から見ると東芝テックの赤字は、かなりやばい状態でしたので早く手を打ちたいといった状況なのです。
東芝テックの主力はPOS事業とプリンティング事業です。
POS事業 | POSレジにより購買情報を一元管理できマーケティングのデータベースとして活用できる世界ナンバーワンのシェアを誇る。 |
プリンティング事業 | オフィスのプリント事業。 コロナ禍により需要が激減し、2020年には約50億円の赤字に。 |
親会社の東芝も、業績が低迷しており以下に記載したように、数々の施策を実施している状況です。
- 一部事業からの撤退
- 子会社の売却
このような構造改革の結果、東芝は約1万人の人員削減を断行もしており、東芝テックにおいても、売れる事業は継続、赤字の事業は売却といった事業の再編成の声があがっていました。
親会社の東芝から見ると、東芝テックは「非注力事業」として位置づけられてしまい、経営陣から「やばい」存在として見られるようになってしまいました。
リストラで約700人削減
東芝テックでは2021年度、低迷しているプリンティング事業部門で約700人のリストラを実施しています。
古代解説員
山田編集者
構造改革でどうなる
東芝テックの年度別の損益は次の通りです。
売上高(単位百万円) | 当期利益 | 売上に影響のあった主な出来事 | |
2019年度 | 483,799 | 3,730 | コロナによる影響 |
2020年度 | 405,694 | 7,126 | ・POSシステムの低迷 ・コロナにより販売の落ち込み ・人員削減による特別損失 |
2021年度 | 445,317 | 5,381 | |
2022年度 予測 | 520,000 | ▲2,500 | 特許侵害による訴訟 |
続いて、事業別の営業利益についても紹介します。
POS事業 (リテールソリューション)単位:百万円 | プリンティング事業 (ワークプレイスソリューション)単位:百万円 | |
2018年度 | 12,323 | 5,666 |
2019年度 | 14,344 | ▲366 |
2020年度 | 13,471 | ▲5,477 |
2021年度 | 10,609 | 954 |
この表でわかる通り、プリンティング事業が東芝テックの足をひっぱる形になっています。
POS事業は世界シェアナンバーワンと売上も堅調なのに対し、プリンティング事業はコロナ禍で低迷。売上が大幅にダウンしています。
構造改革案として、プリンティング事業の売却が検討されていました。その結果東芝テックの株価は低迷していき、まさに負のスパイラルといった状態になってしまったのです。
古代解説員
社内は反感も
2022年3月の臨時株主総会で東芝テックは「非注力事業」といった烙印を押されます。
古代解説員
しかし同年6月に開催された東芝グループの経営方針では一転、東芝テックは「注力事業」に返り咲きます。
経営陣が迷走している様子も伺えますが、戦力外といった烙印をおされたことによる東芝テック社員のモチベーションが下がってしまっている状況はたやすく想像できます。
こうした一連のできごとにより、経営陣に対して社員から反発する声が止みません。
東芝グループとして一枚岩で立て直していくべき時に、新たな火種が再燃している状況です。
社員の評判もやばい?
大幅赤字やリストラといった経営上の「やばい」話を解説しました。さらに社員の間でも数々の「やばい」話がありましたので一部を紹介していきます。
山田編集者
営業至上主義
営業至上主義。実績至上主義。数字を達成している人間が評価対象かつその人間に仕事を振ればいいというカルチャー。 評価・昇進するのは実績を残した営業であることは間違いない。裏を返すと、営業がやるべき、やるものとしての風潮がある。
引用: enライトハウス
東芝テックでは、営業が会社を引っ張っているという雰囲気があり、営業畑にいる人間が出世しやすい傾向があるといった意見です。
もし東芝テックが本当に営業至上主義となっていた場合、「数字にならない仕事はやりたくない」という考えに陥ってしまう社員が増えてしまい会社は危険な状態になってしまいます。
古代解説員
きつい
昭和の企業体質が抜けきっておらず、残業や無駄な飲み会などがあります。残業は部署によりますがまだまだ多く、終電で帰宅という部署も珍しくはありません。業務量が多いためやむを得ないかもしれませんが、改善が必要だと考えます。また、私的な飲み会が非常に多く、断りづらい印象、場合によっては昇進に関わることもあると思います。
引用: カンパニー通信
年代が高い層にとっては「ノミュニケーション」と称して業務後に飲みに行くということも多くあったと思います。
しかし近年は業務後の時間は、趣味の時間に使いたいという人や業務後まで会社の人たちとの時間を過ごしたくないという人、さらには家族や友人との時間にあてたいという考えが増えてきています。
山田編集者
激務
仕事を覚えていくにあたって、仕事が激務になっていく。仕事が平日で終わらなければ休日に働くことになる。人が慢性的に不足しているので、一人にかかる負荷は大きく基本的にSEと営業は残業時間が40〜80時間を超えている。
引用: enライトハウス
上記の他にも、SEは40時間のみなし残業が含まれるという声や、次のような声もありました。
- 定時では帰れない
- 22時まで働くのが当たり前の部署もある
- 土日定時後も携帯電話が鳴るため休んだ気がしない
古代解説員
社員の悪い評判・口コミ
さらに社員からの悪い評判や口コミを紹介していきます。
- 殺伐とした雰囲気
- 厳しいノルマ
- 体調を崩す
殺伐とした雰囲気
営業なので時間を決めて仕事ができない。 また、個人に予算が与えられるが、死ぬほど努力して馬車馬のように 働かないと達成できない数字である。 月末には予算に対しての売上が足りず、会社は殺伐とした雰囲気である。 数字が取れていないと、やることもないのに人よりはやく帰ることが、 悪のように思われる。また、会社の体質として体力勝負である。 大学で学んだことなど必要ないし、 正直、誰でもできる仕事である。かわりはいくらでもいるので、 駒のように使い捨てられる
引用: キャリコネ
「達成できない数字」が目標となっているのでオーバーワークになってしまうことが多いという声が目立ちました。
古代解説員
厳しいノルマ
営業職は、厳しいノルマが課せられているので、馬車馬のように働く人が多い。深夜残業、休日出勤は極普通のことだが、結果を残せば期待以上の報酬を得ることができる。技術職もプリセールスが主業務であるため、同様に地方では厳しい状況。更に障害が発生すると開発会社と保守会社の連携が悪いため深夜も休日も拘束されることが多い。
引用: キャリコネ
営業職は結果が出ればそれなりの報酬が出るという話ですが、そのためには深夜残業や休日出勤もいとわず対応する必要があります。
山田編集者
体調を崩す
恒常的に残業が多い。人が少ない為、仕事量が多くなる。鬱などで休職や退職する会社員が多い。
引用: キャリコネ
こちらも同様に、仕事が多く休職に追い込まれる社員も多いとのこと。こうした口コミをみていくと、大手だから安心という軽い気持ちでは長続きできそうにありません。
社員の良い評判・口コミ
悪い評判の一方、良い評判についても紹介します。
古代解説員
- 給与水準は高い
- 嬉しい福利厚生
給与水準は高い
残業は多いが、給与に反映されるため満足。同じ業界を見ても、給与水準は高いほうなので、モチベーションが低下するといったことはない。 周囲からもあまり不満点を聞くことがないが、結局は部署による。 査定についても、これといった不満はなく、着実に仕事をこなしていけば出世できると思われる。
引用: キャリコネ
先ほどの悪い評判とは裏腹に、残業は多いけれど満足してますという方も見受けられます。
山田編集者
嬉しい福利厚生
カフェテリアポイントがあり、東芝家電などはポイントの率が他より高く使え、お得に家電を買うことができる。 家電だけじゃなく、旅行や自己啓発にも使え年間400ポイント、4万円分付与される。
引用: キャリコネ
東芝テックでは、自己啓発・育児教育・買い物などに使用できるポイントが年間4万円分付与される制度があります。旅行などにも利用できるので、ボーナスなどとはまた違ったちょっと得した気分になれる福利厚生があるのは羨ましいですね。
引用: 東芝
学歴があまり無くても気合で入れる割に給与は結構高いと思います。20代でも500〜600はいくとおもいます。
引用: indeed
学歴はあまり重視されていなく、実力次第で給与もたくさんもらえるという口コミです。残業が多くてたくさん給与がもらえているのか、役職について年収がアップしたのかまでは確認できませんでした。
古代解説員
東芝テックの年収
令和3年9月に国税庁が発表した「 民間給与実態統計調査結果 」によると、資本金10億円以上の企業における45歳〜49歳の平均給与は677.3万円でした。
年度 | 従業員数 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年収 |
2021年度 | 3,377名 | 45.44歳 | 18.16年 | 795.6万円 |
2020年度 | 3,391名 | 44.93歳 | 18.6年 | 764.9万円 |
2019年度 | 3,743名 | 45.57歳 | 19.94年 | 828.6万円 |
2018年度 | 3,660名 | 45.43歳 | 20.34年 | 864.6万円 |
2017年度 | 3,586名 | 45.26歳 | 20.79年 | 803.2万円 |
参考:東芝テック 有価証券報告書
東芝テックは平均より高い年収という位置づけになります。
東芝テックの離職率
有価証券報告書などのデータから離職状況の確認はできませんでした。
そこで社員の口コミを参考にすると気になる意見が見つかりました。
離職率の高さゆえに中途率が高いが、中途採用者のレベルが低いにもかかわらず一定水準まで年齢で職級が決まるため新入社員のモチベーションを保ててない実情がある。
引用: enライトハウス
東京ブロックのトップが今までの離職率を是正するために社内間の交流を増やしよい流れができ始めていました。
引用: enライトハウス
記事の前半で取り上げたように、東芝テックでは約700人にリストラを実施した事があります。リストラは、会社経営の失敗であることは確かです。リストラが断行されると会社の先行きに不安を感じたり、倒産するまえに辞めておきたいと考えたりする人もいます。
山田編集者
東芝テックの会社概要
会社名 | 東芝テック株式会社 |
設立 | 1950年(昭和25年)2月21日 |
代表者 | 代表取締役社長 錦織 弘信 |
所在地 | 資東京都品川区大崎1-11-1(ゲートシティ大崎ウエストタワー) |
資本金 | 資本金 399億円 |
従業員数 | 3,377人<連結:18,539人> |
公式サイト |
東芝テックは、1950年東芝から独立しPOS(Point of Sale)システムと複合機を扱うプリント事業を軸にした東芝の子会社です。
POSシステムは世界ナンバーワンのシェアをほこり、今後の成長も見込まれています。そのため2025年度までに米国の拠点を中心にソフトウェア開発者の増員を予定。
一方オフィスを中心に展開している東芝テックのプリント事業は、コロナ禍で大幅な赤字となってしまい国内外で約700人のリストラを行うなど厳しい状況が続いています。
まとめ
東芝テックの社員の評判や赤字・リストラの話について解説しました。
コロナ禍によるオフィスプリンティング事業の減収や特許権に絡む多額の訴訟和解金の支払いなどが近年の東芝テックにダメージを与えています。
しかし世界ナンバーワンのPOS事業は今後海外でのさらなる売上増加を目指し、人員の増加をおこなったりと積極的な経営になってきています。
古代解説員
東芝テックは「やばい」状態ではあったものの、少しずつその状態から抜け出していると言えます。とは言え慎重に今後の動向に注目していきましょう。