マンション投資で火災保険は義務ではありませんが、火災保険に入っておかないとマンションで何かあった時の損害額は高額なものになってしまいます。とはいえ無駄にお金を払いたくはないですよね。火災保険に入るのであれば、必要があるのかどうかしっかりと判断したいと思います。この記事では火災保険の種類や火災保険がカバーしてくれる災害について解説しています。火災保険について少しでも悩んでいる方は本文を最後まで読んで、しっかり納得してから火災保険に入るかを決めましょう。
マンション投資において火災保険に入るべき2つの理由
マンション投資において火災保険の加入義務はありません。しかしながら、必ず入ることをおすすめします。
- 万一のときのリスクが大きい
- 地震保険も加入することができる
万一のときのリスクが大きい
マンション投資は万一のリスクが大きいです。
- 地震・洪水・土砂災害などの自然災害
- 窃盗・放火など人的要素による被害
- 建物自体が損壊して、入居者や通行人に大怪我を負わしてしまった
このような被害が受けると数十万円~数百万円の損害が発生します。万一のときの損害が大きいため、火災保険には必ず加入することをお勧めします。
地震保険にも加入することできる
地震保険は単体で加入することができず、火災保険に加入しなければ入ることができません。地震保険を付帯することができることも火災保険に加入するメリットの一つです。
地震保険は地震による被害を補償する保険です。地震による倒壊など直接的な被害はもちろんですが
- 地震が原因で起きた津波
- 地震が原因で起きた火災
- 地震が原因で起きた噴火
も補償範囲となります。
居住区域のみ補償される
このように火災保険は火災だけではなく、風災、地震、窃盗などあらゆるリスクに対して補償されます。特に日本は自然災害が多く、気候変動の影響で今後も増えていくと予想されます。
日本は自然災害が多い
日本は諸外国と比較しても自然災害が多い国です。1985年~2015年までの諸外国との自然災害被害を比較しても、30年間の合算値で一人当たり3,385ドルの被害があり、ニュージーランドに次ぐ2位となっています。隣国である韓国と比較すると約100倍以上の損害となっています。また、今後も世界的な気候変動の影響による自然災害の増加や南海トラフ地震など、今後の自然災害は増加していくものと考えられています。
(参考元:保険・共催による災害への備えの促進に関する検討会参考資料 内閣府防災担当)
降水量の増加による水害被害の懸念
日本の降水量は温暖化の影響により今後増加していくことが懸念されており、具体的な影響について環境庁が発表しています。
- 現状(2014年)以上の温暖化対策を取らなかった場合、大雨による降水量は平均5%増加する
- 厳しい温暖化対策をとった場合、大雨による降水量は平均3%増加する
(参考元:日本国内における気候変動予測の不確実性を考慮した結果について 2014年 環境庁)
つまり、今後大雨による水害被害は大きくなってくることが予想されます。「今まで大きな被害がなかったから大丈夫だろう」という方でも気候変更によって今後大きな被害にあう可能性も十分にあります。
南海トラフ地震などの大規模地震の可能性
近い将来発生する可能性が高く、大規模な被害を及ぼすと指摘されている地震は、南海トラフと首都直下型の二つがあります。
- 被害想定地域が東京都や大阪府を含む1都2府26県
- 死者・行方不明者数が約3万人
- 住宅全壊戸数が約6万棟
- 被害想定地域が東京都を含む1都9県
- 死者・行方不明者数が約3万人
- 住宅全壊戸数が約61万棟
(参考元:地震対策検討ワーキンググループ(中央防災会議「防災対策推進検討会議」))
いずれも地震調査研究推進本部によると今後30年で首都直下型と南海トラフの地震が起こる可能性は70%といわれており、非常に高い確率で大規模な地震のリスクがあることがわかります。そのため、マンション投資をするなら火災保険と地震保険への加入は必須でしょう。
火災保険の内容について
火災保険は火災、台風、洪水など幅広い損害に対して補償される保険です。
- マンション投資家が入る火災保険
- 入居者が入る火災保険
の2通りの火災保険があるので、それぞれの特徴について解説します。
マンション投資家が入る火災保険は建物に対する保険
マンション投資家が入る火災保険は建物に対する保険です。マンションだけではなく、建物・塀・門・物置なども補償されます。火災保険という名前ですが補償範囲は火災だけではありません。
- 落雷
- 破裂、爆発
- 風災、雪災
- 盗難
具体的には
- 入居者の煙草の消し忘れによる火災により、マンションに被害があった。
- 洪水によりマンションに浸水があった
- 台風により窓が割れてしまった
など建物に対して被害があったときに補償されます。
入居者が入る火災保険は家財に対する保険と大家に対する賠償保険
入居者が入る火災保険は家財に対する保険と大家に対する賠償保険があります。家財に対する保険は火災が起きた時などに損害を受けた家財を補償する保険ですが、火災以外の損害でも補償対象となる場合があります。
- 泥棒に盗難にあって、高価な貴金属が盗まれた
- 家具をぶつけて、テレビなどの家電が壊れてしまった
大家に対する賠償保険は借家人賠償保険と呼ばれており、借家人が大家に対して損害を与えたときに賠償金額を補償するというものです。一般的には火災保険とセットとなっています。
- タバコの不始末で火災を発生させてしまい、部屋を全焼させてしまった。
- 水漏れで借りているマンションの床を汚してしまった
ケースによっては数千万円から数億単位の賠償責任を負うことになるので、部屋を借りる時に火災保険へ加入することを強制される例も珍しくありません。
火災保険の費用はマンションや補償内容によって異なる
火災保険の費用は
- 構造
- 床面積
- 築年数
- 補償内容
- 補償額
によって異なりますが、一般的には年間3~10万円程度の金額です。想定される損害金額と比較すると、そこまで高い金額ではありませんので、加入した方が良いでしょう。
火災保険は施設賠償責任保険の特約を付ける
火災保険に加入するとき、投資家は施設賠償責任保険の特約が付帯しているものを選ぶと良いです。施設賠償責任保険とは投資家が保有しているマンションが他者の身体や財産に損害を与えたときの賠償責任を補償する保険です。
- マンションの柵が折れて、下にある車を壊してしまった
- 風呂釜の欠陥により入居者にけがをさせてしまった
- 備え付けの階段が壊れて、入居者にけがをさせてしまった
対人での事故の場合、賠償金額は数百万円から数千万円単位での賠償となるケースも多いです。特に築年数が古いマンションは予期せぬ事故が起こりやすいので、施設賠償責任保険に加入することをおすすめします。
施設賠償責任保険には単体で加入する方法と火災保険の特約として加入する方法の2つのパターンがあります。多くの場合、特約で加入したほうが、保険料が安くなるため、火災保険を選ぶときに施設賠償責任保険が特約として付帯できるかを確認しましょう。
マンション投資の際は火災保険に入ろう
今回は火災保険について解説しました。
- マンション投資家は火災保険に入るべき
- 入居者の方にも火災保険に加入してもらう
- 今後地震・水災を筆頭に自然災害が増加する見通し
- 火災保険に加入する際は地震保険も付帯させる
- 施設賠償責任保険も特約して加入しておく
火災保険は義務ではありませんが、マンション投資家にとって必須です。投資家、入居者ともに加入するようにしましょう。とはいえ地震が起こらない地域で地震保険に入る必要はないですよね。具体的にどこで、どんな災害が起こりやすいのかを調べて火災保険料を安くする方法を下記の記事で解説しています。