この記事では中古マンション投資の初期費用と頭金について解説しています。中古マンション投資をこれから始めようという方は、最後まで読んで、具体的な目安などを把握しておきましょう。
中古マンション投資はいくらから始められる?
中古マンション投資を始めるのに必要な金額は物件の価格や融資の有無によって異なりますが、およそ物件価格の6%~28%程度必要です。
- 初期費用・・物件価格の約6%~8%
- 頭金・・物件価格の約0%~20%
初期費用はどのくらいかかる?
初期費用は中古マンション取得時に必要な税金や業者に対する手数料で、総額が約6%~8%前後かかります
- 仲介手数料
- 火災保険や地震保険などの保険料
- 登録免許税や固定資産税などの税金
- 司法書士依頼料
仲介手数料
仲介手数料は不動産仲介会社に支払う手数料のことで、宅地建物取引業によって下記の通り上限金額が設定されています。
不動産価格(税抜)が200万円以下 | 売買価格×5% |
不動産価格(税抜)が200万円~400万円 | (売買価格×4%+2万円)×消費税 |
不動産価格(税抜)が400万円を超える | (売買価格×3%+6万円)×消費税 |
上限金額は定められている一方で、下限金額は定められていません。そのため不動産仲介会社によっては手数料が安くなることもあります。
火災保険や地震保険などの保険料
中古マンション投資において、火災保険と地震保険の加入義務はありませんが、万一の時のリスクを考え、加入しておいた方が良いでしょう。
物件価格や補償内容によって大きく異なりますが、中古のワンルームマンションの場合は3万円~15万円程度が保険料の目安となっています。損害保険会社ごとに保険料のシミュレーションができますので、事前にいくらかかるか確認しておきましょう。
詳細については下記の記事で解説しています。
登録免許税や固定資産税などの税金
中古マンションを購入した場合、下記の税金がかかります。
- 登録免許税(建物)・・固定資産評価額×2%
- 登録免許税(土地)・・固定資産評価額×5%(令和3年4月1日から2%)
- 登録免許税(抵当権)・・借入金×4%
- 印紙税(不動産売買契約書)・・およそ1,000円~60,000円
- 印紙税(金銭消費貸借契約書)・・およそ2,000円~60,000円
- 固定資産税・・固定資産税評価額×4%(購入時は1月1日からの日割計算)
- 不動産取得税・・固定資産税評価額×3%(令和3年4月1日以降4%)
物件価格により異なりますが、およそ購入価格の3%前後が目安となります。ただし、全て一度に全ての払う訳ではありません。
- 登録免許税・印紙税・固定資産税・・中古マンション購入時に支払い
- 不動産取得税・・中古マンションを購入してから、6か月~1年後に支払い
不動産取得税を支払うだけの現金を忘れずに残しておくようにしましょう。
税金について詳細については下記の記事で解説しています。
司法書士依頼料
法務局に中古マンションの登記をする作業を司法書士に依頼する場合は、約5~15万円の費用がかかります。
中古マンションの登記は必ずしも司法書士に依頼する必要はなく、投資家が自分で登記することもできます。法務局には登記相談できるサービスもありますので、時間に余裕がある方は自分で登記してみることをおすすめします。
初期費用を安くする3つのポイント
初期費用を安くするためには下記の3つのポイントを押さえましょう。中古マンションの価格にもよりますが、総額で10万円~60万円程度安くすることができます。
- 火災保険や地震保険の補償を少なくして、保険料を抑える
- 価格の安い司法書士に依頼するまたは自分で登記する
- 仲介手数料の安い不動産仲介会社を利用する
特に司法書士や不動産仲介会社は安さを売りにしている業者も数多くあります。各種手数料を業者ごとに比較してから中古マンションを購入することをおすすめします。
火災保険は保険の対象として不必要な災害を除外することで安く済ませることが出来ます。具体的には下記の記事で解説しています。
頭金はいくら必要?
中古マンション投資では頭金がいくら必要かは、いくら融資してもらえるかによって異なります。
物件価格の100%を融資するフルローンの場合、頭金は必要ありませんが、フルローンが難しい場合は足りない費用を頭金として用意する必要があります。
金融庁が行ったアンケート調査の結果
金融庁から金融機関への質問内容:物件の購入金額の一部を顧客の自己資金で賄わせているか
銀行の回答
- 必ず行っている:15%
- 概ね2/3以上の案件で行っている:63%
- 概ね1/3以上の案件で行っている:10%
- 概ね1/3未満の案件で行っている:6%
- 一切行っていない:5%
信用金庫及び信用組合の回答
- 必ず行っている:17%
- 概ね2/3以上の案件で行っている:30%
- 概ね1/3以上の案件で行っている:20%
- 概ね1/3未満の案件で行っている:20%
- 一切行っていない:13%
(参照:金融庁 投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果)
このように「必ず行っている」、「概ね2/3以上行っている」と回答した割合が、銀行が78%、信用金庫・信用組合が47%となっており、いずれも高い比率を占めています。フルローンで借りられるケースは少ないため、物件価格の1割程度の頭金を準備しておいた方が良いでしょう。
融資次第で頭金が大きく変わる
中古マンション投資は融資額次第で頭金が大きく変わります。フルローンを利用できる属性の良い方は、保有している現金が少なくても中古マンション投資を始めることが可能です。属性とは職種・年収・家族構成・勤務年数・資産状況などの個人情報のこと言い、銀行が融資する際の判断基準として利用されます。
- 資産家
- 士業
- 公務員
- 大企業勤務
- 年収が1,000万円以上
一方で、下記の属性の方は融資を受けにくく、一つでも当てはまると融資審査が厳しくなります。
- 自営業、非正規社員の方
- 年収が400万円未満
- 勤務年数が1年未満
また、配偶者と共働きの場合は2名が連帯保証人となることで融資枠が増額されます。理解を得ることができれば、配偶者に連帯保証人となってもらうのも選択肢の一つでしょう。
融資について金融機関に相談してみよう
中古マンション投資に必要な金額は物件価格や融資によって異なりますが、特に重要なのが融資をいくら受けることができるかということです。
- 属性が良い場合・・物件価格の約6~10%程度
- 属性が普通の場合・・物件価格の約10~28%程度
- 属性が悪い場合・・物件価格の50%~100%が必要
これから中古マンション投資をしようという方は「自分はどのくらい現金を用意しておけば良いのか」が気になるでしょう。不安や疑問を解決させるための一番良い方法は金融機関や専門家に相談することです。
- 属性からフルローンで融資が可能かどうかを判断できる
- フルローンができそうな金融機関を紹介してもらえる
- どのくらいの初期投資が必要か判断できる
など中古マンション投資を始めるにあたって、いくら必要かを教えてもらうことができます。中古マンション投資を検討されている方は一度相談すると良いでしょう。
融資についてどこに相談したら良いか分からないという方は、日本政策金融公庫に相談しましょう。日本政策金融公庫が良い理由については下記の記事で解説しています。