マンション投資には地震や洪水、台風などの災害リスクがあります。災害に遭うとマンションの価値が下がったり、修繕費用がかかったりするので不安ですよね。この記事では災害リスクの種類と対処法ついて解説しています。リスクが小さいエリアを見つけることはマンション投資で成功する秘訣の一つです。難しいことは苦手だという方にも分かりやすいように画像付きで災害が起こりにくい地域の調べ方も紹介しています。最後には火災保険を安くする方法を紹介しているので、是非最後まで読んでください!
- 災害に遭うと、どのくらいマンションの価値が下がるのか
- 災害リスクには具体的にどのようなものがあるか
- 災害が頻繁にある地域はどこか
- 火災保険を安くする方法
災害に遭うとマンションの価値が下がる
地震や洪水、台風などの災害に遭うとマンションの価値は下がります。なぜなら、洪水であれば床下浸水、地震であれば地盤沈下など住宅に大きな不具合が生じるためです。2019年の前年度対比の国土交通省の基準地価で下落率が高いトップ3を紹介します。
- 岡山県倉敷市真備町…53,400円 前年度対比▲15.5%
- 広島県三原市南方…37,500円 前年度対比▲12.0%
- 北海道夕張市清水沢…4,200円 前年度対比▲ 9.5%
- 岡山県倉敷市真備町…28,600円 前年度対比▲16.1%
- 広島県三原市本郷… 16,000円 前年度対比▲15.8%
- 北海道美唄市東明2条…2,350円 前年度対比▲ 9.6%
3位の北海道は地元の経済が落ち込んだ影響が大きいですが、1位の岡山県倉敷市と2位広島県三原市は平成30年の西日本豪雨の影響により大きく下落しています。このように大規模な災害にあった土地というのは、土地の価値が大きく下落し、当然マンションの価値も下がります。そのため、マンションを購入する前に「購入を予定している地域が災害にあう可能性はどのくらいあるのか?」を調べておくことが大事です。
地震による災害リスク
地震による災害リスクで最も注意すべき点は「建設確認年月日」です。特に地震による災害リスクを気にする方は1981年6月1日以降に建築されたマンションを購入しましょう。なぜなら、1981年6月1日以前に建築されたマンションは「新耐震基準」と呼ばれる水準に満たしておらず、地震に弱い構築になっているためです。
新耐震基準とは「震度6~7の地震でも倒壊せず、人命を損なわない程度の強度」に建築された建物のことをいいます。近年の大地震で倒壊・半壊しているマンションは、この基準を満たしていないケースが多いです。そのため、地震による災害リスクを軽減させるためには、建設確認年月日を確認しましょう。
注意点は建設日ではなく建設確認年月日を確認することです。建設日が1981年6月1日以降でも、着手日が1981年6月1日以前の場合は新耐震基準を満たしていないケースがあります。建設確認年月日が1981年6月1日以降の場合は100%新耐震基準を満たしています。建設日と建設確認年月日を誤らないように気を付けましょう。
もし新耐震基準を満たしていないマンションを購入しようと考えている場合は、なるべく地震が少ない地域のマンションを購入することをおすすめします。また、マンションを購入する予定の地域が地震に強い地盤なのかを事前に調べておきましょう。
地震リスクが高いエリアを調べる方法
地震の被害による危険性は、国土交通省のわがまちハザードマップで確認します。ハザードマップとは、自然災害による被害や被害範囲を事前に予測した地図のことです。わがまちハザードマップでは、全国の自治体が作成したハザードマップを検索することができます。
わがまちハザードマップが使いづらいという方は、朝日新聞のサイト【揺れやすい地盤】でマンションを購入予定の地域の住所を入力すれば簡単に調べることができます。
わがまちハザードマップの使用方法
1.リンクを開くと以下のような画面になります。左上の赤い四角で囲ってある「災害別から選択する」をクリックします。
2.コンテンツを選択できるので、見たいマップをクリックします。今回は上から2つ目の「震度被害マップ」を見てみます。
3.この青く塗られている地域は情報が公開されているので、見ることができます。
4.青い地域(今回は埼玉県)をクリックすると、その地域のハザードマップを検索できます。
5.青く塗りつぶされている地域は全て情報が見られますので、この中で見たい地域を選びます。今回は埼玉県さいたま市を見てみます。「公開URLを開く」をクリックしてください。
6.さいたま市のページに案内されました。ここで、さいたま市が公開している情報を確認することができます。さいたま市の場合はPDF形式で情報が公開されているので、ダウンロードをすることも可能です。
このように、購入予定のマンションがある地域を、国土交通省のわがまちハザードマップで調べてみましょう。
- 建設確認年月日が1981年6月1日以降のマンションを選ぶ
- 購入予定の物件が地震に強い地盤なのかを国土交通省のわがまちハザードマップか揺れやすい地盤で確認する
- 過去の地震歴を調べ自身が少ない地域のマンションを選ぶ
洪水による災害リスク
一般的な災害と言われる地震、土砂災害、津波は説明義務がありますが、洪水や浸水は説明義務がありません。そのため、事前に必ずハザードマップで確認しましょう。
洪水リスクが高いエリアを調べる方法
洪水リスクは国土交通省の重ねるハザードマップの洪水ハザードマップから確認しましょう。
【重ねるハザードマップの使用方法】
1.国土交通省の重ねるハザードマップを開きます。画面左の赤枠で囲ってある「洪水(想定最大規模)」をクリックしましょう。
2.日本地図が表示されます。まれにもっと詳細な地図やもっと広角な地図が表示されることがあるので、その場合は画面左下の赤枠で囲ってある+−で調整してください。真ん中にある+を中心とし地図が拡大・縮小します。真ん中の+を動かしたい時は、後ろの地図をドラッグして動かしましょう。
3.画面上部で赤い四角で囲ってある検索窓に、調べたい住所を入力します。そして右隣の赤丸で囲ってある虫眼鏡マークをクリックし検索します。
この時、画面左のボックスが途中で途切れて下の方が見えなくなっているので、下に伸ばしておくと使いやすくなります。
4.検索をクリックすると新しい枠に住所が表示され、入力した住所の場所に旗が立ちます。
5.地図をドラッグし、旗を真ん中の+の位置辺りに移動します。
6.プラスを押して地図をどんどん拡大していきます。この時、旗の位置が真ん中の+から遠ざかっていきますので、⑤の手順で真ん中のプラスの位置に旗を戻しながら拡大してください。
7.見たい大きさまで拡大します。場所がわかっている方は、×を押して住所を消します。すると、旗も消えます。もし旗がないと場所がわからない場合は、また虫眼鏡をおしてください。
8.見たい大きさまで拡大したら、画面左の枠内を見ていきます。枠内で5つ選択する箇所があるので、この中で見たいものを選択します。選択してあるものは薄緑になり、画像では洪水浸水想定区域(想定最大規模)のみが選択されている状態です。
言葉が難しくて分からないという方は、解説をクリックすると説明が表示されます。
9.同時にいくつも選択することも可能です。
10.全国写真(シームレス)選択すると航空写真になります。
11.解説を押すと透過率が表示される。初期設定は0%です。
透過率のバーを動かすことによって、透過することが可能です。
↓
この透過により、様々な状況を同時に確認できるようになります。
また国土交通省の地点別浸水シミュレーション検索システム(浸水ナビ)からも浸水情報を確認できます。浸水ナビでは浸水域シミュレーショングラフや近くの河川の情報などをアニメーションで見ることができるので分かりやすいシステムとなっています。
洪水・浸水リスクはハザードマップや地点別浸水シミュレーション検索システムを活用して、事前にチェックしましょう。
土砂災害による災害リスク
土砂災害は「土砂災害警戒区域」と「土砂災害特別警戒区域」に分けられます。
土砂災害のリスクが高いエリアを調べる方法
土砂災害は国土交通省の重ねるハザードマップの土砂災害から確認しましょう。使い方は重ねるハザードマップ洪水の時の使用方法と同じです。
土砂災害は7つの種類別に分かれています。
- 急傾斜地の崩壊
- 土石流
- 地すべり
- 土石流危険渓流
- 急傾斜地崩壊危険個所
- 地すべり危険個所
- 雪崩危険個所
ハザードマップで赤色の特別警戒区域と色が複数重なっている地域のマンションの購入は避けたほうがよいでしょう。
台風による災害リスク
近年不動産に甚大な被害をもたらしている災害が台風です。
- 雨漏り
- 浸水
- バルコニーの破損
- 窓ガラスの破損
などが代表的な被害例です。これらの被害は原則として大家が負担することが多く、経済的な被害も大きいです。しかしながら、台風については宅地建物取引業法で説明義務はないため、教えてくれません。台風被害が多い地域は自分で調べましょう。
台風による被害が大きいエリアを調べる方法
台風の被害情報は内閣府の防災情報から見ることができます。しかし、今まで紹介したようにデータがまとまっている訳ではありません。
【台風で大きな被害を受けた場所】
静岡県湯ヶ島 1日の降水量が717.5mm
埼玉県浦山 1日の降水量が647.5mm
東京都小沢 1日の降水量が627.0mm
福島県 死者30名
宮城県 死者19名(特に丸森町は11名)
建物全壊363棟
建物半壊3,929棟
一部破損62,986棟
床上浸水34棟 床下浸水57棟
北海道江別市 1時間雨量40mm
北海道上士幌町 3時間雨量108.0mm
北海道富良野市 3時間雨量86.0mm
大規模な土砂災害(長さ約1,200m 範囲約114万㎡)
災害に備えて火災保険に入ろう
日本は地震・台風・土砂災害など災害が多い国です。実際にハザードマップを見て頂ければわかる通り、幅広い範囲で災害が起こっており、その全てに対応することは難しいです。そのため、災害に遭わない土地を探すということよりも災害に備えることが必要です。
今回紹介した災害を全てカバーしてくれる保険があります。それが火災保険です。
- 災害の危険性のある地域で不動産投資をする
- 災害に遭ってマンションの価値が下がることが怖い
火災保険は用途に合わせてカスタマイズすることが可能です。例えば浸水を対象外にしたり、土砂崩れを対象外にしたりと必要のない保険をなくして、保険料を安くすることができます。
マンション投資をする際は、ハザードマップなどを参考にしながら、投資する地域の災害を確認し、適切な火災保険に加入しましょう。
マンション投資をする時は災害リスクを調べておく
せっかく購入したマンションが災害に遭ってしまうと大きな損失が発生してしまいます。そのため投資前には、災害の可能性の有無について出来る限り調べておきましょう。
- 地震 国土交通省のわがまちハザードマップ
- 地震 揺れやすい地盤
- 洪水 国土交通省の地点別浸水シミュレーション検索システム(浸水ナビ)
- 台風 内閣府の防災情報
- 洪水と土砂 国土交通省の重ねるハザードマップ
火災保険料を抑える以外にも中古マンション投資で無駄なコストを抑える方法はあります。詳細は以下の記事をご覧ください。