低額で出来るリフォームもあれば、予算が1,000万円を超えてしまうリフォームもあります。予算の全額を現金で用意することが難しい場合は、リフォームローンを利用すると効果的です。メガバンクからネットバンクまで、様々な金融機関がリフォーム目的の融資を行っています。
この記事では、住宅ローンや不動産投資ローンとリフォームローンの違いなどについて解説しています。後から「リフォームローンを利用しておけば良かった…」と後悔しないように、本文を最後まで読んでリフォームローンについて理解しましょう。
リフォームローンとは
住宅ローンの目的は「住宅を買うための資金」ですが、リフォームローンは住宅の増改築やリフォームなどを目的としています。住宅ローンは必ず担保が必要となりますが、リフォームローンの場合は無担保型の商品も多いです。なぜなら、リフォーム目的の場合、住宅を購入するよりも融資金額が小さくなるためです。
居住用と投資用物件でリフォームローンは違う
居住用物件だけではなく、投資用物件も年数が経過すればリフォームの必要性が出てくるので、投資用物件のリフォームを目的としたローンもあります。
リフォームローンの減税制度
住宅ローンを利用すると住宅ローン減税を受けることができますが、リフォームローンでも減税制度の適用を受けることが可能です。 残念ながら投資用物件の場合は、減税制度の対象になりません。
- ローン期間が5年以上
- バリアフリー対応や省エネ化など一定の性能に関するリフォームをすること
減税制度が適用される期間は最長で5年間です。バリアフリー化・省エネ対応・耐震改修などの工事については工事費用の2%が各年の控除額となります。それ以外のリフォーム工事については、各年末におけるローン残高の1%が控除額です。なお、各控除は合算することができます。
バリアフリーリフォームローン型減税
- 2021年12月31日までに工事が完了している上、居住者が居住を開始すること
- ローンの返済期間が5年以上あること
- 居住を開始した年から5年間が減税期間となる
- 控除対象限度額は1,000万円
- リフォーム対象住宅の所有者がその住宅の居住者であること
- リフォーム対象住宅の所有者が、50歳以上であることまたは65歳以上の家族の同居者であること
※参考 住宅リフォームガイドブック 一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
省エネリフォームローン型減税
- 2021年12月31日までに工事が完了している上、居住者が居住を開始すること
- ローン返済期間にかかわらず1年間が減税期間となる
- 控除対象限度額は250万円(太陽光発電設備の工事も施工した場合は350万円)
- 施工費用から補助金等を除いた金額が50万円以上であること
- リフォーム対象住宅の所有者がその住宅の居住者であること
※参考 住宅リフォームガイドブック 一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
リフォームローンの種類
リフォームローンは担保の有無によって条件がかなり違います。変化する条件は、金利・借り入れ限度額・返済期間などです。無担保ローンの場合は概ね500万円〜1,000万円が融資限度額となります。一方、有担保ローンの融資限度額は、1,000万円〜1億円となっている商品が多いです。
担保型リフォームローンのメリットとデメリット
- 金利が低い(1%~2%)
- 借入限度額が多い(1,000万円~1億円)
- 返済期間が長い(最長35年)
特に、返済期間が住宅ローン並みに長いので、月々の負担を軽くすることが出来ます。
- 担保が必要
- 住宅ローン残債次第で融資を受けられない
- 手数料がかかる
現在返済中のローンも審査の対象となります。借り入れ可能な金額は年収の〇倍と定める銀行が多いため、住宅ローンの残債が多いと審査基準を超えてしまう可能性が出てきます。
無担保型リフォームローンのメリットとデメリット
無担保型ローンのメリットは以下の通りです。
- 担保が必要ない
- 担保評価を必要としないため審査期間が短い
- 保証料や一部手数料が不要
担保が不要であることや、審査結果がすぐに出るので気軽に融資を受けることが出来ます。
- 金利が高い(2%〜5%)
- 借り入れ限度額が少ない(1,000万円〜1,500万円)
リフォームローン担保型と無担保型どちらを選ぶべき?
担保型と無担保型でどちらの方が良いかはリフォームの費用によって異なります。なぜなら、担保型は金利は低いものの、最初に支払う手数料等が多くかかるからです。無担保型は金利が高い一方、そもそも融資額が少ないのならば、返済金利はあまり大きくならない上に返済期間も短いです。支払い金利と手数料との合計を比較して決める方が良いでしょう。
リフォームローンの審査基準
- 借り入れ名義人の健康状態
- 年収
- 勤続年数
- 返済比率
- 雇用形態
基本的にチェックされることは住宅ローンや不動産投資ローンと変わらないので、ローンで住宅を購入した方であれば問題ないでしょう。ただし、借り入れが多すぎて金融機関に「借り過ぎではないか…」と判断されてしまうと落とされてしまうこともあります。またクレジットカードや公共料金の返済状況も確認されますので、うっかり滞納しないように気を付けましょう。
リフォームローン審査の流れ
リフォームローンの審査の流れは住宅ローンや不動産投資ローンと同様です。
- 申し込み
- 事前審査
- 審査書類の提出
- 本審査
- 契約手続き
住宅ローンや不動産投資ローンと大きな違いはありませんが、リフォームローンの場合は、インターネットから申し込み手続きが出来る金融機関が多いです。
リフォームローンはどこで融資してくれる?
2020年2月時点で、代表的な金融機関のリフォームローンについて比較します。
三菱UFJ銀行 | イオン銀行 | 住宅金融支援機構 | |
借入期間 | 6ヶ月〜15年 | 1年〜10年 | 20年 |
融資可能額(円) | 50万〜1,000万 | 30万〜500万 | 工事費の80%が上限 |
金利 | 1.99%〜2.875% | 2.45% | 0.38%〜0.87% |
金利の種類 | 変動金利 | 固定金利 | 固定金利 |
繰り上げ返済手数料 | なし | なし | なし |
※参考
住宅金融支援機構は、費用全額を融資でまかなうことは出来ませんが、金利は圧倒的に低いです。借入期間も長く設定することができます。大規模なリフォームを行い、予算が多くなる場合は特に、住宅金融支援機構のローンを利用すると良いでしょう。
リフォームローンのまとめ
- 住宅ローンや不動産投資ローンと比較して、融資基準は緩い
- 居住目的の不動産であればリフォームローン減税制度が受けられる
- 融資額が多くなければ、無担保型リフォームローンが良い
- ローンの審査基準や審査の流れは住宅ローンや不動産投資ローンと同じ
- 住宅金融支援機構は工事費の80%が融資の上限だが、金利がとても安い
リフォーム目的のローンは融資を受けやすいです。しかし、既に多額の融資を受けていてリフォームの融資が受けられないという方や、あまりお金をかけたくないという方はDIYで出来るリフォームも選択肢の一つとして検討しても良いかもしれません。詳細は下記の記事で解説しています。