不動産投資でサブリースを活用するのはアリなのか?

昨今の低金利により不動産投資を始めてみようと考えている人が増えています。不動産投資を検討している人の中には、長期間の家賃保証で安心した不動産投資ができるという宣伝文句のサブリースを考えている人も多いと思います。

家賃収入が保証されていることは安心につながりますが、トラブルになっているケースも多く聞きます。安心できると思って始めたサブリースが結果的にトラブルになってしまっては元も子もありません。

そうならないために、今回はサブリースを検討している人へ、サブリースのメリットやデメリット、注意点などについて解説していきます。この記事を読んで、サブリースが不動産投資としてアリなのかどうか参考にしていただければ幸いです。

トラブル続出中!サブリース契約の問題点とは?

サブリース契約の問題点を解説する前にサブリースについて簡単に解説します。

サブリースとは、転貸・又貸しのことです。

賃貸物件を持っているオーナーからサブリース業者が一棟丸ごと物件を借り上げます。そして入居者の有無に関係なく、サブリース業者はオーナーへ決められた家賃を支払うというシステムです。オーナーとしては決められた家賃収入を得ることができます。

林編集者
 これだけ聞くと決められた収入があるので、安心できると感じる人も多いと思いますが、実際はトラブルが続出しています。

サブリースを検討するにあたり、どのようなトラブルがあるのか事前に確認しておいた方が良いので、次にサブリースで特に多い3つのトラブルとそれぞれのトラブルを防ぐために確認すべきポイントを解説します。

特にこの3つは多いトラブルなので知っておきましょう。

トラブル①家賃が下がった!

決められた家賃収入が保証されないの?と思う人も多いと思いますが、必ずしも契約の時に決めた家賃が続くということではありません。家賃については、保証期間中であったとしても建物の老朽化や市況の変化などで見直されてしまうケースがほとんどです。

実際に契約書にもその内容が記載されていますが、ただでさえ難しい専門用語が多い契約なので、その点をしっかり確認できていないオーナーが多いのも事実です。

トラブルを防ぐために契約前の注意点として、契約内容はしっかり確認することとわからない点は後回しにせずに契約前にサブリース業者へ聞くようにしましょう。

事務員
家賃の下落を加味した提案や説明がされているかも確認することも大切ですね。

林編集者
家賃の下落率について総務省の調査では、経年劣化による家賃の下落率で年率に換算するとおおよそ1%程度の下落となるようです。あくまでも目安であるため、周辺で同じような物件の家賃などを調べておくことで、サブリース業者の提案が正しいかの判断の手助けになるでしょう。

家賃の下落率について、詳細は総務省「借家家賃の経年変化について-消費者物価指数における家賃の品質調整に関する調査研究-」をご参照ください。

トラブル②解約ができない!

サブリース契約は契約内容によって中途解約や更新拒絶ができなくなっている場合があります。トラブルがあったら解約すればいいやと安易に考えているとトラブルになってしまう可能性が高くなってしまいます。

なぜ中途解約や更新拒絶ができないかというと、賃借人であるサブリース業者は借地借家法で立場が守られているからです。そのため、オーナーから一方的に中途解約や更新拒絶はできず正当事由が必要となります。正当事由とは解約せざるを得ない事情のことです。

ただ、正当事由があれば必ず解約できるというわけではなく、双方の話し合いとなり、折り合わなければ最終的に裁判に発展する可能性もあります。裁判では時間も労力も費用も必要なので、そうならないためにも契約前の注意点として、中途解約や更新拒絶が可能なのかどうか、解約する場合の違約金はいくらなのかなどを、事前に必ず確認するようにしましょう。

トラブル③多額の修繕費を請求された!

一般的なサブリース契約では、建物の維持修繕に関する費用や入居者退去後の原状回復費用はオーナーが負担する契約になっていることが通常です。また、修繕見積もりもサブリース業者が手配するケースが多いため、通常よりも割高な修繕費用を請求されることもあります。

すべてサブリース業者がやってくれるからとお任せにしていると多額の修繕費を請求されることになってしまうかもしれません。契約の前の注意点としては、修繕の負担箇所・割合や修繕発生時の見積もり手配の取り決めなどしっかり確認するようにしましょう。不動産投資を始める人は、原状回復費用はどこまで入居者に請求することができるか理解しておくことをおすすめします。

原状回復費用については国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」についてをご参照ください。

サブリース契約のデメリットとは?

サブリース契約の主なデメリットに利回りが下がることが挙げられます。

利回りとは、投資金額に対しての収益割合です。例えば5000万円で購入した物件の年間家賃収入が300万円だった場合、以下となります。

利回り300万円÷5000万円=6%

サブリースをすると年間家賃収入が減ってしまいます。一般的には家賃保証により家賃収入が80〜90%となってしましますので、利回りは悪くなってしまいます。特に築浅物件や好立地の物件は空室率が低く、それ以上の収益が見込めるため、サブリース契約をするメリットは少ないと言えるでしょう。事前にご自身の物件の賃貸需要を近くの不動産賃貸会社へ確認してからサブリース契約をするかどうか決めることをおすすめします。

サブリース契約のメリットとは?サブリースを活用した方が良いケースとは?

サブリース契約のメリットとしては、入居者の有無に関係なく収入を見込める点です。空室が続いてしまい、家賃が入らないと賃貸経営が失敗に終わる可能性が高まってしまいます。入退去に一喜一憂せず、決められた収入が見込めることは、気持ち面でも安心できるでしょう。ただ、トラブルでもあったように家賃が下がる可能性があることや修繕費負担等には注意が必要です。

林編集者
また、管理を任せることができる点もメリットとなります。物件の規模によっては建物の管理や入居者募集の頻度が多くなる可能性があります。規模の大きい物件では、個人で管理するのも限界があるため、全ての管理を任せることができることで手間を省けます。

サブリースを活用した方が良いケースとしては下記が考えられます。

・空室率が高い物件を所有している場合

・家賃収入が下がっても決まった収入を得たい場合

・管理を全て任せて手間を省きたい場合

サブリースを活用した方が良い場合でも、損益分岐点を意識してシミュレーションしてみることや業者選びを慎重に行うことは大事です。また、トラブルを防ぐために契約内容はしっかり確認するようにしましょう。

サブリース契約のトラブルは事前確認で回避できる!

今回はサブリース契約の問題点やメリット・デメリット、注意点などについて解説しました。トラブルが多いサブリース契約ですが、サブリース契約そのものが悪いわけではなく、所有している物件や選ぶ業者によっては活用した方が良いケースもありました。

トラブルにはオーナーの確認不足が原因である場合も多く見られます。全てプロに任せていれば安心と考えているとトラブルになってしまいますので、ご自身でもしっかり確認することでトラブルを防ぐことはできます。サブリース契約をする前にまずは初心者向けの不動産投資セミナーなどに参加し、不動産投資に関する勉強をしてから、サブリース契約を選ぶべきか否かの判断をされることをお勧めします。

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