中古マンション投資を始める方にとって銀行融資は初めての経験だと思います。何を聞かれるのか、どこで借りられるのかも分からず不安ですよね。この記事では中古マンション投資を始める人にとって知っておくべき診断基準や用意しておくべき資料を解説しています。中古マンション投資を始めたい人は最後まで読んで、銀行から融資を引き出すコツを実践しましょう。
銀行融資とは?
銀行融資とは中古マンション投資をする際に銀行から融資してもらうことです。中古マンションの価格が数百万円~数千万円と高額であるため、自己資金での購入は難しいことが多く、銀行融資を前提として中古マンション投資を始める方がほとんどです。しかし、融資してもらえる金融機関は銀行だけではありません。
- 日本政策金融公庫
- メガバンク
- 地方銀行
- 信用金庫
- 信用組合
中古マンション投資の融資は、住宅ローンと比較すると審査のハードルが大きく上がります。なぜなら、毎月の給料から返済する住宅ローンとは異なり、毎月の家賃収入から返済する事業性融資となるため、金融機関にとってリスクが上がるからです。そのため、戦略を練ってから依頼しなければ、融資してもらうのは難しいでしょう。
銀行の融資診断基準は?
銀行が中古マンション投資において融資診断を行うポイントは3つあります。
- 事業計画書と収支計算書
- 物件の売買価格
- 顧客の財産と収入
(参照元:投資用不動産向け融資に関するアンケート調査結果 金融庁)
融資診断の基準はどれか一つクリアしていれば融資の可否が決まる訳ではありません。総合的に判断されて融資の可否が決まるので、3つともしっかり準備しておきましょう。
事業計画書と収支計算書
中古マンション投資で銀行融資を依頼する際に、正確な事業計画と収支計算書を作成する必要があります。銀行が事業計画と収支計算書を見る上で、重要なポイントは下記の4つです。
- 大規模修繕工事や回収などの維持費が適切か
- 賃料の下落や空室の増加などのリスクも考慮されているか
- 融資期間中に法定耐用年数を超えなさそうか
- 物件の収入が悪化したときでも給与所得などで補うことができるか
- 毎年のキャッシュフローは黒字か
- 空室が長く続いた場合でも大丈夫か
維持費・賃料下落・空室増加などのリスクを加味した上で、長期的に融資を返済できるかということがポイントになります。
物件の売買価格
銀行は物件の売買価格の検証を行います。
- 近隣のマンション相場を調べて、適正価格か検証
- 購入する予定の中古マンションを現地で確認
- 近隣の状況を確認
銀行は、購入目的の中古マンションのみならず、周りの環境も考慮に入れて判断しています。
顧客の財産と収入
顧客の財産や収入も融資の判断基準の一つです。一定の資産や収入がなければ、融資を受けることができないケースが多いです。
- 給与明細
- 源泉徴収票
- 税務申告書
これらの書類以外にも、銀行によっては預金通帳などで財産状況を確認しているケースもあります。しかし、金融庁のアンケート調査によると融資では財産状況よりも収入の方を重要視しているケースが多いです。
- 給与所得を示す書類を必ず確認している銀行:83%
- 税務申告書を必ず確認している銀行:87%
- 預金通帳など財産状況を示す書類を確認している銀行:46%
そのため、自己資金がない方でも、収入が高ければ融資を受けられる可能性は十分にあります。
銀行の融資診断基準のまとめ
銀行が融資をする際は、3つの診断基準を総合的に判断して融資の可否を決めています。
- 事業計画書と収支計算書
- 物件の売買価格
- 顧客の財産と収入
これら銀行融資の診断基準を理解して、正しく対策すれば、融資が通過する可能性は高くなります。次に、銀行から融資を受けるためにはどうすれば良いかを具体的に解説します。
中古マンション投資で銀行融資を受けるために必要な資料
中古マンション投資で銀行融資を受けるためには事前に3つの資料を作成する必要があります。
- 自己紹介の資料
- 中古マンションの購入理由を説明する資料
- どのように返済するかを説明する資料
銀行が知りたいことを前もって資料にして準備しておくと、融資を受けやすくなります。
自己紹介の資料
初めて取引する銀行に行く場合は、自分自身を知ってもらうための資料を作成する必要があります。
- 自分の経歴や職業について説明する職務経歴書
- 配偶者や子供の有無などの家族構成
- 自身と配偶者の年収などの収入状況
- 金融資産や固定資産などの資産状況
- どのような不動産を購入していくかなど不動産賃貸業の事業方針
- 以前にマンションを購入したことがあれば具体的な実績
- 不動産賃貸業を行う理由
銀行は融資する際、人間性も評価対象とするので、前もって資料を作成しておき、アピールできるポイントをまとめておきましょう。
中古マンションの購入理由を説明する資料
なぜ、あなたがその中古マンションを購入するのかを説明する資料を作成する必要があります。
- なぜその中古マンションを購入したいのか
- 所有者が中古マンションを売却する理由
- レントロール
- 近隣のマンションの価格と家賃の相場
- どのような属性の人の入居が期待できるか
- 路線価
購入する中古マンションは銀行の担保になりますので、銀行にとっても魅力的なマンションであることを説明しましょう。
どのように返済するかを説明する資料
銀行は融資したお金がちゃんと返ってくるのかを気にしています。そのため「この計画なら融資しても大丈夫そうだな」と判断してもらえるような資料を作成しましょう。
- 購入した場合、諸経費はいくらかかるのか
- 将来、賃料を下げることになっても利益はでるのか
- 金利が上昇したときはどうするのか
- 空室が出た場合の対策はどうするのか
- 空室が長期間続いた場合はどのくらいまで耐えられるのか
- 将来は売却するのか・保有し続けるのか
これらのことは資料を見なくても説明できるようにしておきましょう。
中古マンション投資の初心者は専門家に相談しよう
中古マンション投資初心者の方には
- どうやって事業計画を作成すれば良いかわからない
- おすすめの金融機関がわからない
という方も多いですよね。そういったときは専門家に相談すると良いです。
- 事業計画書作りは日本政策金融公庫
- 融資の相談をする金融機関選びは不動産会社
事業計画作りは日本政策金融公庫に相談
事業計画書の作成は日本政策金融公庫に手伝ってもらうと良いでしょう。日本政策金融公庫は政府系の金融機関のため、民間とは異なり営利目的ではありません。そのため、地域の事業者に寄り添ったサポートを行ってくれます。事業計画書や収支計算書など融資を受けるために必要な様式があるので、中古マンション投資の初心者でも、安心して融資相談をすることができます。
詳しくは下記の記事で解説しています。
融資の相談をする金融機関選びは不動産会社
どこの金融機関に融資の相談をすれば良いか分からないという方は、まず初めに信頼できる不動産会社に相談しましょう。不動産会社は金融機関と関係が深く、また複数の金融機関と付き合いがあるケースがほとんどです。そのため
- どこの金融機関に融資が通過しそうか
- 金利が安めの金融機関はどこか
など、あなたに適した金融機関を紹介してもらうことができます。融資してくれる金融機関を自分で探せる自信がない方は、まず初めに不動産会社に相談しましょう。
中古マンション投資の銀行融資は事前の対策が大事
中古マンション投資は数百万円~数千万円の大金が動く取引ですので、銀行融資を受けられなければ購入は難しいです。しかし銀行融資を受ける際に大切なことを把握して、事前にしっかりと対策を打てば融資の審査に通ることは難しくありません。不安な点は早いうちに専門家と相談しましょう。
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