マンションに欠陥があると、マンションの価値が下がるし、修繕費もかかるので非常に大変です。せっかく買うなら欠陥のないマンションを買いたいですよね。高額なお金を払って業者に検査を依頼することも出来ますが、この記事では手軽に調べることが出来る欠陥について解説しています。欠陥マンションを買わされて損したくない人は、最後まで読んで欠陥の見分け方を身に付けましょう!
建物の傾き
建物の傾きは、地盤沈下や施工不良によって引き起こされます。建物の強度面や入居者の健康面に悪影響があるにも関わらず、見分けるのが難しい欠陥です。以下の要点を理解して、建物が傾いているマンションは避けるようにしましょう。
- なぜ建物が傾いているとだめなのか
- 建物の傾きをチェックする方法
- 建物の傾きがある場合の対処法
なぜ建物が傾いているとだめなのか
建物が傾いていると、マンションの強度面に悪影響を及ぼす可能性があります。柱や梁などの部材は、全て水平時を想定した強度で設計されています。建物に傾きがあると重心が傾き、設計時に想定していない負荷が部材にかかり続けることになります。
また、建物の傾きは健康面に対しても悪影響を生じることがあります。頭痛やめまい・吐き気などを引き起こす可能性があり、傾きがひどい場合は睡眠障害になることもあります。3/1000以下の勾配では上記の症状が出ることは少なく、許容内の傾きです。3/1000~6/1000の勾配では、敏感な人であれば少し傾斜を感じる程度です。建物の傾きが6/1000を超えると健康被害が生じることもあり、構造部分に欠陥がある可能性が高いです。
建物の傾きをチェックする方法
建物の傾きをチェックするには、3つの方法があります。
- 水平器で傾きを測る
- スマホのアプリで傾きを測る
- ビー玉などで傾きを測る
水平器で傾きを測る
水平器とは、気泡が入った管を金属製や樹脂製のケース内に取り付けたものです。水平器を使うことで、床や壁などの傾きを簡単にチェックできます。施工業者がよく使っている製品で、ホームセンターなどで購入することができます。
引用:Twitter
スマホのアプリで傾きを測る
スマホには加速度センサーが搭載されており、機械本体の傾きを測定しています。この機能を利用したアプリを使用することによって、建物の傾きを測定できます。スマホの側面や背面を床に当てることで、傾きの数値を確認できます。
ビー玉などで傾きを測る
昔から定番の方法で精度は低いですが、最も手軽に実行できます。床に置きビー玉が転がるかどうかで、建物の傾きを確認します。
建物の傾きがある場合の対処法
マンションに傾きがある場合は、建物の地盤が原因であることがほとんどです。傾きを修正する工事は大掛かりで、多くの費用と工期がかかります。また、他の入居者が工事に合意する必要があるため、傾きを補正する工事を行うのは現実的には難しいです。大きな傾きのあるマンションは買い手が付きにくくなるので、購入は避けるようにしましょう。
雨漏り
雨漏りは経年劣化によって生じることが多い欠陥です。また、ご自身の専有スペースから、他の部屋に雨漏りの被害が生じる可能性があります。以下の要点を理解して、雨漏りを発生させないようにしましょう。
- 雨漏りはなぜだめなのか
- 雨漏りをチェックする方法
- 雨漏りがある場合の対処法
雨漏りはなぜだめなのか
雨漏りが生じると、部屋全体の劣化を進行させる可能性があります。外壁や屋根のひび割れなどわずかな隙間から雨水が侵入し、建物の内部に停滞します。雨水が停滞することによってカビや建材の腐食を発生させ、少しずつ劣化を促進させていきます。
また、専有スペースの管理を怠り近隣の部屋に雨漏りを生じさせた場合は、損害賠償をしなければならないケースもあります。共有スペースの場合は責任を負う必要はありませんが、ご自身だけの問題ではないことを理解しておきましょう。
雨漏りをチェックする方法
雨漏りの原因になる場所のほとんどは、屋根・外壁・屋上・ベランダなどの紫外線や風雨の影響を受けやすいところです。防水層の劣化や外壁・屋根のひび割れなど、建物の劣化が原因となることが多いです。
建物の内部から雨漏りをチェックする場合は、天井や壁・サッシまわりに染みがないか確認しておきましょう。特にサッシまわりは外壁に穴が開いている構造なので、雨漏りが生じやすくなっています。また、普段はカーテンなどによって隠れている部分も多いので、染みがあっても見落としやすい部分です。
建物の外部から雨漏りをチェックする場合は、ベランダの状態をよく確認しておきましょう。具体的にチェックするポイントは以下のとおりです。
- 室内とベランダの間にあるサッシの下側
- ベランダの排水口と床
室内とベランダの間にあるサッシの下側
サッシの下側は目につきにくい場所なので、注意が必要です。この部分は施工が雑であったり、劣化が激しいことが多い場所です。強い雨の時には雨の跳ね返りが意外と多く、サッシの下側から雨漏りが起きやすいのです。
ベランダの排水口と床
ベランダの排水溝と床も雨漏りの原因になる部分です。排水口と床部分は多くの水が集まるところで、経年劣化が特に激しくなります。防水の仕上げ材が傷んでいると、防水層にまで水が入り込んでしまいます。排水口や床からの雨漏りは建物に与えるダメージが特に大きいので、仕上げ材が傷んでいないかを確認しておきましょう。
引用:Twitter
雨漏りがある場合の対処法
マンションの雨漏りは、ベランダの劣化が原因で生じることが多いです。劣化が軽度な場合はコーキングのみの施工で解消できるので、コストや工期はあまりかかりません。劣化の度合いにもよりますが工期は2~3日以内、費用は10万円以内で収まるでしょう。
ベランダ全体の防水層が劣化している場合は、下地から修理する必要があります。既存の防水層を撤去してから新たに施工するため、コストと工期はコーキングをする場合よりもかかります。防水層を施工し直すには工期は1週間ほど、コストは20万円以上かかるケースが多いです。
経年劣化
中古マンションの購入を検討する際は、経年劣化の度合いを必ず把握しておきましょう。マンションによって管理方法が違うので、築年数が同じでも経年劣化の進行が早い物件もあります。中古マンションの経年劣化について、以下の要点を理解しましょう。
- 経年劣化はなぜだめなのか
- 経年劣化をチェックする方法
- 経年劣化の対処法
経年劣化はなぜだめなのか
築15年ほどの中古マンションは、新築時に比べて価格が大きく下落していることが多いですが、これほど築年数が経過しているマンションでは、それなりの経年劣化を生じています。
通常は経年劣化に耐えるため約10年ごとに大規模な修繕を行うのですが、築15年ほどではまだ行われていない物件もあります。
経年劣化をチェックする方法
中古マンションを購入する際は、書類によって大規模修繕履歴を確認することが大切です。この書類には、建物が新築時から現在まで行った大規模修繕の記録が記されています。大規模修繕履歴では屋上防水や外壁塗装など、主に共用部の修繕記録が確認できます。
エアコンなどの設備や内装などの専有部については、修繕履歴から記録を確認できます。修繕履歴には目を通しておき、今後必要になりそうな出費を事前に把握しておきましょう。
通常は仲介の不動産会社が書類発行の手数料を負担してくれますが、ご自身が負担をする場合もあります。
経年劣化の対処法
共用部分や躯体の経年劣化は、大規模修繕によって対処することができます。しかし、専有部分は部屋の持ち主が修繕しなければなりません。築20年ほどまでの物件では床や壁のクロスを張り替える工事だけで済む場合もありますが、築20年を超えると水まわりの設備が寿命に達し、コストが多くかかる工事になる可能性があります。
また、間取りが古いと入居者が付きにくいので、場合によっては間取りを変更する必要もあります。キッチンや風呂など水まわりのリフォームは高額で、合わせて100万円以上かかる場合があります。リフォームを前提として物件を購入する場合は、水まわりのリフォームが必要かどうか必ず確認しておきましょう。
引用:Twitter
欠陥を必ずチェックしよう
欠陥を見抜く方法は簡単に出来ます。買った後に欠陥があることに気付いて後悔するぐらいなら、面倒くさがらずに必ずチェックしましょう。
- 建物の傾斜は、水平器かスマホアプリで確認しよう
- 雨漏りは、天井や壁やサッシに染みや痛みがないか確認しよう
- 修繕履歴を確認して、劣化を把握しよう
2020年4月の民法改正により、欠陥があった場合に契約を解除することが容易になりました。とはいえ、欠陥があった場合にも契約が解除できない内容の契約書になっていると、契約の解除が出来ません。詳細は下記の記事で解説しています。