不動産投資は仕組みが複雑ですし、種類も多くて何から始めれば良いのか分かりづらいと思います。とはいえ、知らないまま始めて後から「最初に勉強しておけば…」と後悔してしまうのも嫌ですよね。この記事では不動産投資の仕組みと種類を解説しています。不動産投資で失敗したくない人は、この記事を最後まで読んで、不動産投資についてしっかり勉強しましょう。
不動産投資で2つの収入
不動産投資による収入は、インカムゲインとキャピタルゲインの2つに分けられます。
インカムゲイン
インカムゲインとは資産の保有中に発生する収入のことで、不動産投資の場合は賃貸して得られる家賃収入を指します。労働をしてお金を手に入れている訳ではないので不労所得と呼ばれることもあります。ただし、実際に手元に残るお金は、ローンの返済額を控除した額になります。これを税引き前キャッシュフローと呼びます。ローンを組んで投資する場合は、どの程度手元に現金が残るかもしっかり考えましょう。
キャピタルゲイン
キャピタルゲインとは売却差益のことです。常に購入時よりも、高く売れるわけではないので、購入価格を下回る売買差損(キャピタルロス)が発生することもあります。 売却を検討するときには、購入時や売却時にかかる諸経費や税金も含めて、損益を計算します。
インカムゲインとキャピタルゲインを合わせて不動産投資なので、家賃収入と売却時について考えてから投資先を決めましょう。
不動産投資の利回り
不動産投資では2つの利回りがあります。表面利回りと実質利回りです。
表面利回り
1年間の家賃収入を、購入した不動産価格で割ったものが表面利回りです。不動産広告では、利回りといった場合、表面利回りを指すことが多いです。なぜなら表面利回りの方が高い数字を見せやすく、興味を惹きやすいからです。しかし、表面利回りは達成不可能な高い利回りなので注意しましょう。
表面利回りには、賃貸中にかかる経費や空室による損失、購入時の諸経費が考慮されていないからです。不動産に投資する上で重要な利回りは表面利回りではなく、経費を差し引いた実質利回りになります。
実質利回り
実質利回りを求めるためには表面利回りから様々な経費を引かなければなりません。経費は購入時に1度だけ支払うものと、継続して支払わなければいけない経費があります。
- 取得税
- 登記代
- 仲介料
- 印紙代
- 修繕費
- 管理費
- 税金
- 町内会費
- 保険料
これらの経費を考慮した実質利回りは(年間家賃-必要諸経費)÷(購入価格+購入時経費)で計算することが出来ます。表面利回りは宣伝用の数字なので、投資先を決める際は実質利回りを計算してから決めましょう
不動産投資のメリットとデメリット
不動産投資はメリットだけではなくデメリットもあります。不動産投資を始める前にしっかり把握しておきましょう。
不動産投資のデメリット
不動産投資のデメリットは少なくありません。
- 入居者がいないと家賃収入が入らない
- 入居していても賃料を滞納されると家賃収入が入らない
- 建物が古くなったり、災害で被害を受けると多大な修繕費用が発生する
- 売ろうと思っても、すぐに現金化できない(早くて2か月かかる)
- 建物が古くなるにつれて緩やかに価値が減少する
- 景気が悪くなると価値が減少しやすくなる
これほどまでにデメリットがあるのに不動産投資を始める人は多いですし、成功している人もたくさんいます。なぜなら、デメリットを把握することで対策を打つことが出来るからです。デメリットを放置せずに、適切な対応が出来る人が不動産投資で成功します。
不動産投資のメリット
不動産投資のメリットは多いです。
- 安定した家賃収入が得られる
- 投資資産の中では資産価格が安定している
- 銀行融資が容易に受けられるので、少ない元手でも有料物件を買うことが出来る
- 景気が良くなると価値が上昇しやすくなる
- 災害が起きても価値が無くなることはない
- 相続税対策になる
- 生命保険代わりに利用できる
不動産投資にはメリットとデメリットがあります。デメリットは事前に分かっているので、放置するのではなく、対策をしっかり考えましょう。
不動産投資の種類
不動産投資の種類は7つありますので、一つずつ解説します
区分マンション投資
区分マンション投資とは、分譲マンションの一室を購入し、その部屋を賃貸する投資方法です。いくつかある不動産投資のなかでは、初心者に適している投資といえます。なぜならマンションの価格は比較的低額でリスクも低く、管理も一部屋の対応で済むからです。
- 低額でリスクも低く、管理も1部屋の対応で済む
- 物件数が多いので、条件で絞り込めるし、取引相手が見つかりやすい
- 良い立地のマンションを取得しやすい
- 低額で購入できる分、相応の収入しか期待できない
- 空室だと家賃収入が入らない
- マンション規約の不自由さ、管理組合の煩雑さ
- 土地が付いていないので、建物の価格しか評価されない
詳細は下記の記事で解説しています。
一棟投資
一棟投資とは土地ごと建物を購入し、部屋を賃貸する投資方法です。マンション・アパートや店舗、事務所など種類は様々です。
- 収益性が高い
- 土地も含んでいるので融資を受けやすく、価値が安定している
- 自由に修繕できる
- 複数の部屋を所有する為、家賃収入が無い状況になりづらい
- 価格が高いため、失敗した時の損失が大きい
- 部屋数が多いため管理の手間も費用もかかる
- 高額であるため、売りたくても買い手が見つかりづらい
戸建て投資
戸建て投資とは、一戸建ての住宅を購入し賃貸する不動産投資をいいます。
- 一家族の入居を前提としているので、1度入居すると退去することが少ない
- マンションに比べ供給量が少ないため、価格競争に巻き込まれづらい
- 住環境を重視する人が多いので、駅から遠くても入居者が付きやすい
- 自由にリフォームや改築が出来る
- 土地も含んでいるので、建物が老朽化しても更地として売りやすい
- 物件の供給量が少なく、条件を細かく選べない
- 古い建物が多い
- 木造の建物だと耐用年数が短いため、銀行融資が難しい
- 空室だと家賃収入が得られない
不動産投資信託
不動産投資信託とは、投資家からの出資金で不動産を購入し、賃料収益や売却益を投資家に分配する投資信託のことです。
- 10万円以下の少額からでも購入できる
- プロに全て託すことが出来るので楽
- 個人では投資が難しい高級マンションやホテル、大型のオフィスビルに投資することが出来る
- 賃料や売却益を分配金の原資としているため、安定して分配金を得られる
- 売却したければ即座に売れる
- 投資先が破綻する可能性がある
- 利回りは低い
民泊投資
民泊とは、従来のホテル業とは異なる宿泊形態で、旅行者などに一般個人宅を有料で宿泊させることです。人口減少は不動産投資にネガティブですが、外国人旅行者は増えています。外国人旅行者は1週間未満の短期滞在が多いですが、ホテルのように高い宿泊料を取れるので検討したい選択肢の一つです。民泊に適した不動産は観光地や主要都市で立地に優れる建物だけでなく、通常は賃貸借に適さない田舎の古民家も含みます。
不動産オーナーで民泊投資に興味がある方は、運営代行会社に民泊としての可能性を尋ねてみるのも良いでしょう。長い間空いている部屋や、安い賃料設定でも埋まらない部屋が、民泊施設として利用できる可能性は十分あります。
- 建物のグレードや築年数を重視しない
- 賃貸借契約がないので、立ち退きの手続きも必要なく処分が容易
- 特区民泊以外の場所だと年間稼働日数が180日まで
- 旅行者が周辺住民と問題を起こす可能性がある
- ネット環境など宿泊者用に設備を用意する必要がある
駐車場投資
駐車場投資とは、土地を駐車場として賃貸借する方法をいい、二つの種類があります。
- 月極め駐車場は、管理が容易で、初期投資も低額です。地面に線だけ引いてあるものが多いです。
- 時間貸しコインパーキングはサブリース運営会社に一括して貸す場合と、自営で行う場合があります。サブリースは設備代も管理費用もかかりませんが、自営の場合は導入費用が高くつきます。
住宅地では月極め駐車場が安定した収入を得やすいですが、駅に近い土地の場合はコインパーキングの方が高収益を見込めます。
- 管理が容易
- 費用も少なく済む
- 建物が建てづらい狭い土地でも活用できる
- 高収益は望めない
ソーシャルレンディング
ソーシャルレンディングとは、事業者が投資家から資金を集め、資金を必要としている企業に融資することです。
- 1万円からでも始められる
- 4%~10%の利回りが期待できる
メリットとしては一万円からの小口融資が可能な点です。
- 募集期間があるので、いつでも購入できる訳ではない
- 途中で換金することが出来ない
不動産投資のまとめ
不動産投資には家賃収入と売却価格で損益が決まります。そのため両方の視点で考えて投資先を決めよう。
表面利回りを見ても良い投資先かが分からないので、実質利回りを計算しよう。
不動産投資にはデメリットがあるけど、デメリットを放置せずに対策しよう。
不動産投資には7種類あるが、投資費用を抑えられて初心者に向いているのは5つ。
- 収益は低いがプロに任せて低額から始められる「不動産投資信託・ソーシャルレンディング」
- コストを抑えて始められる「区分マンション・駐車場」
- 賃貸に向いていない物件も収益化できる「民泊投資」
中古マンション投資を始めたいけど、何から始めたら良いか分からないという方は下記の記事で解説しています。