中古マンション投資をする際は、不動産投資ローンを組むことになりますが、不動産投資ローンを組むことで、住宅ローンの審査が通りづらくなります。この記事では不動産投資ローンを組んでも、住宅ローンを通す方法について解説しています。
- 既に不動産投資ローンを組んでるけど、住宅ローンを組みたいと考えている人
- 将来住宅ローンを組むかもしれないけど、いま不動産投資ローンを利用しようと考えている人
これらに該当する人にとって役に立つ記事になっているので、ぜひ最後までご覧ください。
※不動産投資ローンと住宅ローンの違いが分からないという方は下記の記事で解説しているので、一度ご覧ください。
中古マンション投資が住宅ローンに悪影響を及ぼす4つの理由
中古マンション投資で不動産投資ローンを組むと、住宅ローンが組めなくなる可能性があります。
- 借入額が大きい
- 収入が不安定と見なされる
- 築年数が古い場合は特に厳しくなる
- 節税目的で中古マンション投資をした場合は特に厳しい
中古マンション投資をしたために住宅ローンの審査に通過しなかったという方もいます。
借入額が大きい
中古マンション投資は借入金額が大きいため、住宅ローンに悪影響を及ぼします。なぜなら、金融機関は資産と負債のバランスを見て、融資をしているからです。すでに中古マンション投資で多額の借入があると、住宅ローンの融資審査が通過しづらくなります。
実際に国土交通省が提供している平成30年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書を紹介します。平成30年度融資を行う際に重要視する項目のアンケート調査では、返済負担率に関しては9割以上、債務状況に関しては6割以上の金融機関が注視しています。
- 返済負担率・・90.7%
- カードローン等の他の債務の状況や返済状況・・63.1%
一方でアンケート結果によると所有資産を重視する金融機関は18.9%しかありません。資産の状況を気にしている金融機関は少ないということがわかります。
金融機関にとって、中古マンション投資をしている投資家は保有している物件の資産価値よりも負債の状況に目が行きやすく、融資しにくくなるというのが実情です。
収入が不安定と見なされる
中古マンション投資をしていると収入が不安定と見なされます。金融機関はサラリーマンに対して安定した収入があるため、住宅ローンの融資をしています。中古マンション投資などの個人事業を本業の他にしていると収入が不安定になるため、融資に消極的になります。
「中古マンションに投資することで収入が増えるから審査が通過しやすいのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、金融機関は安定性を重視する傾向にあります。そのため、金融機関は不確実性の高い中古マンション投資に厳しい目を向けます。
例え収入がプラスで推移していても、今後マイナスになる可能性を懸念して審査をしますので、原則として融資審査のハードルが上がることはあっても、下がることは少ないでしょう。
築年数が古い場合は特に厳しい
築年数が古い中古マンションを購入する場合、融資審査は特に厳しいです。築年数が古い中古マンションは担保価値が低くみられることが多いためです。特に耐用年数が超えている物件や超えそうな物件は資産価値をほぼゼロとみなしている金融機関も少なくありません。
鉄筋コンクリートで建築されているマンションの耐用年数は47年ですので、これに近い物件を保有しており、なおかつ負債が大きい方は融資審査が厳しくなる可能性が高いです。
節税目的で中古マンション投資をした場合は特に厳しい
節税目的で中古マンション投資をした場合、融資審査は特に厳しくなります。決算上赤字になるため、収入が不安定かつ事業がうまくいっていないとみなされるためです。中古マンション投資は減価償却にかかる費用が大きいため、キャッシュフロー上はプラスになっても、決算上で赤字になるケースがあります。
中古マンション投資をしながら、住宅ローンを利用できる4つの手法
もちろん、中古マンション投資をしていたからとって、必ずしも住宅ローンを利用できないわけではありません。年収や決算状況、資産と負債のバランスによっては住宅ローンを利用できます。また、住宅ローンを利用できなかった方でも下記の4つの手法をとることで利用できる可能性があります。
- 複数の金融機関に相談する
- 資産と負債を整理する
- 法人成りする
- フラット35を利用する
複数の金融機関に相談する
一つの金融機関だけではなく、複数の金融機関に住宅ローンの相談をすることで利用できることがあります。なぜなら、金融機関によって住宅ローンの審査基準が異なるからです。
「中古マンション投資をしていることで収入が不安定だから」という理由で厳しい審査をする金融機関もあれば、それほど気にしない金融機関もあります。複数の金融機関に相談することで、住宅ローンの審査に通過する可能性を高めることができます。
- メガバンク
- 地方銀行
- ネット銀行
- 信用組合
- 信用金庫
メガバンクは住宅ローンの審査基準が厳しい傾向にありますが、信用組合や信用金庫は柔軟に対応してくれる傾向にあります。ネット銀行は、地方の住宅だと担保保全が難しいという観点から、住宅ローンが利用できないというケースもあります。金融機関ごとに審査基準が異なるので、住宅ローンの審査に通過しなかった方は視野を広げて審査を受けてみましょう。
資産と負債を整理する
資産と負債を整理することで住宅ローンの審査に通過しやすくなります。特に住宅ローンの審査は負債の大きさを重要視するため、負債を圧縮することで審査に通過しやすくなります。
- 中古マンション投資用のローン
- カードローン
- 自動車ローン
- 消費者金融からの借り入れ
これら既存の負債を可能な限り返済することで、住宅ローンの審査に通過しやすくなります。住宅ローンの審査で、保有資産はそこまで重要視されないので、保有している資産で負債を返済し、整理しましょう。
法人成りする
法人成りすることで住宅ローンの審査が通過しやすくなります。なぜなら、住宅ローンの審査は個人に対して行うので、法人成りにより中古マンション投資に関する個人債務が無くなるためです。
例えば個人事業主として3,000万円の債務があるケースと法人として3,000万円の債務があり代表者が連帯保証をしているケースでは、前者の債務は3,000万円として見られますが、後者の債務は原則ゼロとして見られます。
法人成りすると個人の債務がゼロになるため、資産と負債のバランスという観点から住宅ローンの融資審査に通過しやすくなるのです。
フラット35を利用する
民間の金融機関ではなく、フラット35という資金を利用する方法もあります。フラット35とは民間の金融機関と住宅金融支援機構が提供している最大35年間、固定金利の住宅ローンです。民間の金融機関は、住宅金融支援機構が債権を引き受けているため低リスクです。そのため、通常の住宅ローンよりも審査基準のハードルが低いという特徴があります。
変動金利よりも金利が高めですが、通常の住宅ローンの審査に通過しないという方は、フラット35を利用すると良いでしょう。
中古マンション投資をしながらも住宅ローンを利用できる
今回は中古マンション投資をしながら住宅ローン利用するのはハードルが高くなりやすいということを紹介しました。しかし、住宅ローンの審査に通過しなかった人でも、下記の方法で審査に通過するようになる可能性があります。
- 複数の金融機関に相談してみる
- 資産と負債を整理する
- 法人成りする
- フラット35を利用する
不動産投資をしていたことが理由で住宅ローン審査に通過しなかった方は、専門家に相談してみることをおすすめします。現状から住宅ローン審査に通過するために適切な手法を教えてもらうことができます。住宅ローン審査に通過しなかったからといって諦めず、まずは専門家に相談してみましょう。
新たに不動産投資法人を作ることは手間かもしれませんが、不動産投資法人にはいくつものメリットがあります。詳細は下記の記事で解説しています。