マンション投資を始める際に、ローンを借りられるのか、金利はいくらなのか気になりますよね。公開されている情報は整理されていないため、どこで借りるべきなのかが分かりづらいと思います。この記事では、不動産投資ローンと住宅ローンの違いや借りるための条件、どの金融機関で借りれば金利が安く済むのかを解説しています。良い条件でローンを借りたいという方は、本文を読んで安く借りられる金融機関を見つけましょう!
※2020年1月時点で公開されている情報に基づいています。
不動産投資ローンと住宅ローンは違う
「ローン」とは言っても、不動産投資ローンと住宅ローンはそれぞれ別物です。不動産投資ローンと住宅ローンには、以下のような違いがあります。
- 借入目的
- 返済原資
- 融資金額の目安
- 融資金利の目安
- 返済期間
- 審査内容で重視すること
- 法人名義での契約
それぞれの違いについて詳しく解説します。
借入目的
不動産投資ローンと住宅ローンでは、ローンを借入する目的がそれぞれ異なります。不動産投資ローンの借入目的は、投資用の不動産を購入するための資金を用意することです。一方で住宅ローンの借入目的は、自身が居住するための不動産を購入するための資金を用意することにあります。
借入目的の違いで融資の限度額や金利・返済期間などの条件が全て変わるので非常に重要な項目です。
返済原資
返済原資とはローン利用者が返済に利用できる金額のことで、ローンの審査では「十分な返済原資があるか」を判断します。不動産投資ローンの場合、毎月の家賃収入を返済原資とします。購入者の信用も必要ですが、購入した不動産は収益が見込める物件かどうかも基準になるのです。一方で住宅ローンの場合、自身の月収を返済原資とします。
融資金額の目安
融資金額の大きさも、不動産投資ローンと住宅ローンとでは違いがあります。銀行によって違いはあるものの、不動産投資ローンの場合の融資金額の目安は、年収の10〜20倍です。一方で住宅ローンは融資金額が、年収の5〜10倍とされています。
不動産投資ローンの融資金額が大きい理由は、不動産投資だと家賃収入次第でローンの返済が容易になるためです。
融資金利の目安
融資金利とは融資額に付与される金利のことで、金利が低いほど返済しやすくなります。不動産投資ローンの融資金利の目安は、1.5%以上とされています。それに対し住宅ローンの融資金利の目安は、およそ0.5%以上です。不動産投資ローンの方が高金利な理由は、不動産投資による収入は給与収入に比べて安定性が欠けるためです。不動産投資で家賃収入が入らないと、銀行は貸し倒れのリスクもあるので、金利を高く設定することで貸し倒れによる損失を小さくします。
固定金利と変動金利の違いは
金利には大きく分けて「固定金利」「変動金利」の2種類があります。固定金利とは、借入期間中の金利が一定の金利です。一方、変動金利は経済情勢等によって、金利が増減するのが特徴です。
固定金利と変動金利どちらを選ぶべき?
固定金利と変動金利には、それぞれメリットとデメリットがあります。
- メリットは銀行の貸し出し金利が上昇しても返済額が変わらないので返済計画が立てやすい
- デメリットは銀行の貸し出し金利が上昇しなければ変動金利よりも返済額が多い
- メリットは銀行の貸出金利が上昇しなければ固定金利よりも返済額が少ない
- デメリットは銀行の貸し出し金利が上昇すると返済額が増えるので余裕を持った返済計画が必要
経済情勢によってどちらを選ぶべきかは変わってくるので、どちらの金利を選ぶか専門家に相談して決めましょう。
返済期間
返済期間は、不動産投資ローンと住宅ローンとで大差はありません。しかし不動産投資ローンは、購入する不動産の法定耐用年数で返済期間が変動します。不動産ごとの法定耐用年数は以下の通りです。
- 木造アパート → 22年
- 軽量鉄骨アパート → 27年
- 重量鉄骨マンション → 34年
- 鉄筋コンクリートマンション → 47年
法定耐用年数が長いほど、不動産投資ローンの融資期間は長くなります。
審査内容で重視すること
不動産投資ローンでは、借主の信用情報(収入、勤務先など)のみならず、購入する不動産も重視します。審査する会社が家賃収入が見込めると判断した場合は審査が通りやすく、家賃収入が確保しづらいと判断された場合は厳しくなります。それに対し、住宅ローンは借主の信用情報のみを審査で重視します。
法人名義での契約
不動産投資は事業の一つなので、法人名義でもローンの契約ができます。住宅ローンは、借主が住む家のためのローンなので、法人名義での契約はできません。
どこでローンを組めるの?
不動産投資ローンを組める機関はいくつかあります。不動産投資ローンを組める機関の特徴を、それぞれ紹介します。
日本政策金融公庫
融資金額の上限 | 4800万円 |
融資期間 | 10〜20年 |
金利の種類 | 固定金利 |
金利 | 1.21〜2.10%(担保がある場合の基準利率) |
保証人 | 不要 |
団体信用生命保険 | 任意 |
大手銀行
大手銀行の不動産投資ローンの傾向は、以下の通りです。金融機関の中では、金利は低めに設定されています。
融資金額の上限 | 50万〜5億円 |
融資期間 | 1〜35年 |
金利の種類 | 固定金利・変動金利 |
金利 | 1%前後 |
保証人 | 1名以上 |
団体信用生命保険 | 任意 |
地方銀行
地方銀行の不動産投資ローンの傾向は、以下の通りです。基本的に低金利ですが、一部の銀行は高金利です。
融資金額の上限 | 15億円以内 |
融資期間 | 35年以内 |
金利の種類 | 固定金利・変動金利 |
金利 | 1.90〜8.95% |
保証人 | 1名以上or任意 |
団体信用生命保険 | 任意 |
ネットバンク
ネットバンクの不動産投資ローンの傾向は、以下の通りです。審査は他の金融機関と比べてやさしめと言われています。
融資金額の上限 | 100万〜1億円以内 |
融資期間 | 25年以内 |
金利の種類 | 固定金利・変動金利 |
金利 | 2.95〜9.95% |
保証人 | 原則不要 |
団体信用生命保険 | なし |
信託銀行
信託銀行の不動産投資ローンの傾向は、以下の通りです。
融資金額の上限 | 500万〜10億円以内 |
融資期間 | 35年以内 |
金利の種類 | 固定金利・変動金利 |
金利 | 1.73〜3.67% |
保証人 | 審査による |
団体信用生命保険 | 任意or必須 |
ノンバンク
ノンバンクとは貸出を専門とする業者のことです。ノンバンクの不動産投資ローンの傾向は、以下の通りです。
融資金額の上限 | 100万〜10億円以内 |
融資期間 | 3ヶ月〜35年以内 |
金利の種類 | 変動金利 |
金利 | 2.60〜7.80% |
保証人 | 審査内容による |
団体信用生命保険 | 任意 |
誰でもローンが組めるの?
不動産投資ローンには審査があるので、申し込めば誰でもローンが組めるわけではありません。最後に、不動産投資ローンの審査に通りやすい人、通らない人の違いを紹介します。
借りられる人の条件まとめ
不動産投資ローンを組むには、返済能力があると認められる必要があります。返済能力を判断する主な基準は以下の通りです。
- 安定した年収
- 倒産のリスクが少ない勤務先
- 長居勤続年数
- 物件の収益性
ただし、厳密な条件は金融機関によって異なります。
こんな人は借りられない
逆に上記の基準に反する人は返済能力がないと見なされ、不動産投資ローンを組めません。そして、不動産投資ローンは原則20歳以上の方を対象としているので、未成年は不可です。
マンション投資のローンは早目に相談しよう!
ローンを前提としてマンション投資を考えている場合は、金融機関でローンについて早目に相談しましょう。なぜならローンで借りられなければ、どれだけマンション投資の話を進めても意味がないからです。「自分の信用力であれば、どの程度のマンションを購入できるのか」が分かれば、マンション選びの効率も上がります。
- 不動産を購入する際に、購入する目的によって借り入れの条件が変わる
- ほとんどの金融機関でローンを組むことが出来るが、金融機関によって条件は違う
- ローンを組める人の条件は金融機関によって違うが、安定した仕事に就いている人は借りやすい
始めて中古マンション投資する方は、審査が通過しやすく経営のサポートもしてくれる日本政策金融公庫でローンを組むと良いでしょう。詳しくは中古マンション投資の融資は日本政策金融公庫を利用しようで解説しています。