老後2,000万円問題など、お金の問題がクローズアップされるなか不動産投資が注目を集めています。特に中古マンションは人気で「働きながらでも片手間で経営出来る」とサラリーマンからも支持を得ています。しかし、投資をする際は、投資商品だけでなく利回りに関する知識も必要不可欠です。高利回りで紹介されている商品に投資しても損をするかもしれません。今回は、中古マンションの利回りの相場と高利回り物件の上手な探し方を解説します。
マンションの利回りの相場
利回りとは、1年間で得る利益が【投資金額に対してどれくらいなのか】を%で表記したものになります。不動産だけでなくあらゆる投資商品に用いられる指標です。利回りには、投資商品ごとに相場があり、相場より高いものを「高利回り」、低いものを「低利回り」と表現します。ここでは、中古マンションと新築マンションの利回りの相場について紹介します。
中古マンションの利回りの相場
中古マンションの利回りは、一般的に3~7%程度といわれています。マンションによって違いはありますが、不動産投資のなかでは高い利回りです。場合によっては利回りが10%を超える中古マンションもあり、高利回りの投資商品を探している方には魅力的に映るでしょう。
新築マンションの利回りの相場
一方、新築マンションの利回りの相場は2~5%です。物件によって差はあるものの、一般的には、中古マンションと比べて低い利回りです。これには下記の2つの理由があります。
- 得られる家賃収入に対してマンション価格が高い
- リスクが少ない
利回りを下げる最大の要因は、購入価格の高さです。誰かが一度でも住んだマンションは、価格が2割下落します。
(参考資料:住宅の資産価値に関する研究 国土交通省)
また、新築マンションは契約不適合責任があります。
そのため細部までチェックしなくても、安心して購入できることは新築マンションの特徴です。しかし、その分だけ購入価格が高いというデメリットもあります。そのため投資用マンションとしては新築マンションは向いていません。
新築と中古マンションの詳細な比較は下記の記事で解説しています。
高利回り中古マンションは安全?
高利回りのマンションとは、得られる家賃収入に対して相場よりも安い値段で売られているマンションのことです。しかし、高利回り中古マンションを見て「本当に大丈夫?」「何か事情があって高利回りなのでは?」と思う方も多いでしょう。ここでは、高利回り中古マンションの安全性について解説します。
マンションに問題があって高利回り
高利回り中古マンションのなかには、マンションに問題があって高利回りで売りに出されている物件もあります。「問題がある」とは、事故物件のような明らかな問題ではなく、入居者が入りにくい事情がある、程度に考えておくと良いでしょう。
例えば、築年数が数十年経過している、駅から遠く生活するには車が欠かせないなどのケースが考えられます。すべての入居者にデメリットとなるわけではありませんが、入居者が敬遠しがちな条件がある以上、販売価格が下がり利回りが高くなるのです。「利回りが高い=投資したら儲かる」ではなく、「なぜ高利回りになっているのか」「入居者にどんなデメリットがあるのか」を比較検討したうえで中古マンションを選ぶ必要があるでしょう。
所有者が売却を急いで高利回り
所有者が売却を急いでいるときも、高利回りで売りに出される場合があります。公売や競売、引っ越しに伴う売却、法人の決算、資金繰り、離婚による売却など、さまざまな事例が考えられます。このような事情を抱えた中古マンションの所有者は、一刻も早くマンションを現金にしたいため、高利回りで売りに出されるのです。
マンション自体に問題がないケースも多く、マンション投資を行う場合は狙い目の物件です。
魅力的な高利回り物件の探し方
不動産投資をする際、高利回り物件が魅力的に見えるのは事実です。しかし、築年数が相当経過した物件を購入しても、入居希望者が集まらず、損する可能性もあります。そのため、高利回りかつ魅力的な物件の探し方を解説します。
インターネット上に出回る前のマンションを見つけることが大切
不動産投資をするためのマンションを探す時に、インターネットを活用する方が多いかもしれませんが、それは間違いです。マンションの売買情報は、インターネット上に掲載される前に不動産会社へ通知されます。良いマンションであれば不動産会社が一括で購入し、賃貸へと回すためです。 つまり、インターネット上に掲載されている物件情報は「不動産会社が興味を持たなかった物件」であることが多いのです。魅力の少ない物件である可能性が高く、購入しても大きな利益は望めないでしょう。
魅力的な高利回りマンションを見つけるためには、インターネット上に出回る前の物件を見つけることが大切です。セミナーに参加するなどして、不動産に詳しい方とのコネクションを作り、不動産会社へ通知される前の良い物件を紹介してもらいましょう。選択肢が広がるだけでなく、入居者にとって魅力的な物件を選べる可能性も高まります。
まとめ
- 新築マンションの利回りの相場は2~5%
- 中古マンションの利回りの相場は3~7%
- 一部の高利回りマンションを見つけたら「なぜ安いのか」を確認しよう
- 魅力的な高利回りマンションはインターネット上に出ないことが多いので、人の繋がりを増やして見つけよう