マンション投資は本当に危険なのか。この記事ではマンション投資が危険と言われる原因について解説しています。結論から言うとマンション投資を買って儲かるものだと思っていたら、それは非常に危険なことです。マンション投資は経営であり、買ってからすべきことが沢山あるのです。危険と言われる原因について一つ一つ解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
賃料が入らない可能性があるから危険?
マンション投資で最も最小限に抑えたいのは「空室の危険性」です。特にサラリーマンの方が、金融機関から融資を受けてマンション投資を行う場合は注意が必要です。なぜなら、購入したマンションが空室となり賃料が入らなくなった場合、返済原資を賃料以外から準備しなければならないので、貯金や生活費を切り崩して返済を継続することになるからです。
そうなるとマンション投資をする以前の生活よりも経済的に苦しくなり、最悪の場合、自己破産の可能性もあります。このような危険性を排除するためにマンション投資において最も重要なポイントは以下の2つです。
- 空室になりづらいマンションを探す
- 購入後も空室にならないよう努力をする
空室になりづらいマンションを探す
空室になりづらいマンションを探すためには、人口が増加傾向にある都市部や、お金持ちの学生が通う大学・短大近くにあるワンルームマンション、オフィス街から遠くないベッドタウンに位置するマンションなどに投資するのが良いでしょう。
気になるマンションを見つけたら情報を集め、分析してから投資することが大切です。
- どこに通っている人が入居するだろうか
- 人口が増えている地域か
- そのマンションの入居者大学や企業の経営は上手くいっているか
「このマンションなら、どこに通っている人が入居するだろうか」
「その大学や企業は今後もあるだろうか」
「そのマンションの立地は、人口は増えている地域かどうか」
地方の物件で人口減少が著しく、企業の撤退が明らかな地域のマンションを購入するのは危険です。なぜなら、賃料で稼げる可能性は低く、あなたの生活を悪化させる可能性があるからです。
空室にならない努力をする
空室になりづらいマンションを買うだけで家賃収入が入る訳ではないので、空室にならない努力をする必要があります。
- 退去されないようにする
- 新しい入居者がすぐに見つかるようにする
退去されないために
退去される危険性を抑えるために最も大切なのは、入居者に満足してもらうことです。
- 入居者の立場に立って不便はないか
- 設備の故障や破損、トラブル、要望に即時対応できているか
- マンションの衛生状態や住環境は良好か
- 入居者の感じている満足度と賃料との間にギャップはないか
- 時代や流行にあった設備やデザインになっているか
新しい入居者をすぐに見つけるために
入居者が退去した場合、新しい入居者をすぐに見つけるように準備が必要です。
- 不動産会社や大学、企業とのコネクションを作っておく
- ターゲットに向けてアプローチできる広告にしておく
始めてのマンション投資で完璧にこなすのは難しいので、最初のうちは管理手数料を支払って不動産管理会社に委託しても良いでしょう。
滞納されるかもしれないから危険?
マンションの賃貸契約は借主が有利になっているので、滞納されたからといってすぐに追い出せる訳ではありません。マンション入居者が滞納した場合、まず入居者に電話をかけるか、自宅へ訪問するなどの督促行為が必要です。
誠意のある人、督促すればすぐに反応してくれる人、単純に忘れていただけの人はまだ良い方です。問題なのは、賃料の支払いに対して全く誠意がなく、「払えないから」という理由で開き直っている人です。そのような場合は保証人を当たるか、法的な手続きに出る必要があります。
- 督促状の発送
- 内容証明郵便の発送
- 裁判
- 差し押え
一つ一つの工程を個人オーナーで対応するのはかなり大変なので、実際には不動産管理会社に管理手数料を支払って、家賃督促をしてもらっているケースが多いです。それでも対応してもらえない時は、弁護士に依頼する必要がありますが、弁護士費用は安くはありません。そのため、余計な出費をかけないように、後から揉めない契約書を作っておく必要があります。
災害で被害を受けるから危険?
災害を受けるとマンションの価値が下がることもありますが、実害は火災保険で補填することが出来ます。地震などの災害はもちろんですが、隣人のたばこが原因で自分の部屋まで燃え移った場合なども火災保険で補償されるので、火災保険には加入しましょう。
洪水などの不測の事態はハザードマップを確認することで、洪水が起こる可能性があるエリアなのかどうかが分かります。詳細は下記の記事で解説しています。
保険料は安く、10年間一括支払いで3万円台から4万円台のものが主流のようです。戸建て木造建築と比較すると、マンションの場合は鉄筋コンクリートであることや、その一部屋だけを補修する金額となるので保険料は必然的に安くなります。
マンションが古くなったら入居者は付かないから危険?
入居を検討する人たちは築年数が浅いものから探し始めますが、実際には築50年近いマンションでも沢山の方々が入居されています。ただし、築年数が古くても問題ないということではありません。古さを感じさせないようにリフォームを行うことによって、築浅のマンションと遜色ない状態に維持することが必要です。
最低限、傷んだ床や壁紙を綺麗にし、建て付けや襖は正常かどうか、シャワーの水やお湯の出具合はどうかという点は満たさなければなりません。その上で、現在人気の設備を付与することを検討することも重要になります。
- ライバル物件と比較し、自分が所有する物件はどんな設備が足りていないのか
- 設備を用意するの費用はいくらかかるか
- 設備を導入したら家賃を引き上げても入居者がつきそうか
- 引き上げた賃料で入居者がつけば、設備費用を回収するのに何年かかるか
近年の人気がある設備をまとめました。
- 備え付け家具家電
- 浴室乾燥機
- 追い炊き
- 床暖房
- IH
- 食洗器
- ディスポーザー
- ウォシュレット
- ウォークインクローゼット
安く導入出来て、入居者の満足度がある設備は率先して導入すると良いでしょう。
人口減少して需要が減るから危険?
日本の将来推計人口 平成29年推計(国立社会保障・人口問題研究所)によると今後、日本の人口は減少が続きます。しかしながら、日本全国で均一に人口が減少する訳ではありません。東京都や沖縄県の人口は引き続き増加傾向にあると発表されています。
また2人以上の入居者の割合は減少していますが、単身世帯が増え続けています。そのため、人口は減少するも世帯数は増加傾向にあるのです。都心部で単身世帯用のワンルームマンションが売れているのは、人口減少ではなく世帯数に着目しているからです。
実際に、融資条件として「都市部のマンションに投資すること」を掲げている金融機関も多いです。人口が増加傾向にある都市でマンションを安く買うことが出来れば、継続的な家賃収入を期待できますが、人口が減っていく地域のマンションを購入することは、家賃収入を期待するのは難しいかもしれません。 詳細は下記の記事で解説しています。
維持費がかかるから計算通りにいかなくて危険?
マンション投資で発生する主な費用は以下の通りです。
- ローンの返済
- 管理費
- 管理手数料
- 固定資産税
- 修繕積立金
余裕を持った資金計画でないと不測の事態に対応できなくなるので、これらの費用を一つ一ついくらかかるのかを多めに見積もり、維持費を計算する必要があります。詳細は下記の記事で解説しています。
投資ではなく実態は経営
マンション投資はお金を出せば儲かるという投資ではなく、実態は経営に近いと言えます。出費を抑えながらも入居者の満足度を高めて、リスクに対しては未然に防ぐための防止策や発生した時の対応策を考えておく必要があります。
マンション投資で失敗する人は、人任せで始めた人がほとんどです。
- 人任せで上手くいくと信じて始めた人
- 不動産屋の言いなりでマンションを購入した人
このような人にとってはマンション投資は非常に危険なものであることは間違いありません。しかし、どうしたら上手くいくのかを考えて、行動できる人であればマンション投資は危険なものではありません。
- 賃料が入ってくるように入居者の満足度を上げる努力をする
- 滞納されてもすぐに対処できるように契約書に記載しておく
- 災害が起こる可能性を調べて、保険に入っておく
- 古くなったらリノベーションして現代の住環境に合わせる
- 人口減少の影響を受けづらい地域のマンションを買う
- 維持費は多めに見積もっておく
やるべきことは少なくないので、初めてマンションに投資する場合は、専門家に相談するか、しっかりと勉強してから始めましょう。詳細は下記の記事で解説しています。