マンションを購入すると様々な名目で維持費がかかります。初めてマンション投資をされる方にとっては、どんな目的のための維持費なのか分かりづらいと思います。必要な経費とは言え、何のためにお金を払うのかちゃんと知っておきたいですよね。この記事では維持費の種類とおおまかな費用について解説しています。維持費についてしっかり理解したい人は本文を読んで、マンション投資を成功させましょう!
マンションの維持費の種類と費用
マンションの維持費は3つあります。
- 管理費
- 修繕積立金
- 固定資産税
管理費
マンションの管理費とは、住人たちが快適に暮らしていくための運営費用です。平成30年度の管理組合向け調査の結果(国土交通省)によると、1ヶ月の管理費の平均は10,661円です。ただし戸数が少ない、もしくは高層マンションの場合、平均の管理費より5割近く高くなっています。
- 20戸以下のマンションの管理費は16,595円
- 20階建以上の管理費は14,034円
管理費は、所有している部屋の占有面積が敷地面積に占める割合に応じて決まっています。20戸と100戸のマンションを比較しても管理人の人件費には差がないので、戸数が少ない方の管理費が割高になります。
一方で、20階以上のマンションの管理費が割高になっている理由は、高層マンションには高級な物件が多いからです。豪華な共用施設やサービスを維持するためには、高額な管理費が必要なのです。
管理費は、以下のような項目に対して支払われています。
- 清掃など、管理会社に業務を任せるための委託金
- エレベータや防犯カメラなど共用部の維持費
- マンションの保険
- 町内会費
- ボイラーなどの設備のメンテナンス
修繕積立金
修繕積立金とは、10~12年ごとに実施される大規模修繕のために積み立てる費用です。修繕積立金はマンションの修繕計画によって決められた、外壁の塗り替えや屋上の防水処理などに使われます。また、事故や災害によって想定外の修繕が必要になる場合もあります。そのため想定外の修繕にも対応できるように、余裕を持った金額を修繕積立金としていることが多いようです。
毎月かかる修繕積立金の目安となる金額は「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の概要(国土交通省)に記載されています。修繕積立金は1平方メートルあたりおよそ135~265円になります。仮に平均的なマンションで80平方メートルの部屋の場合202円×80平方メートルで約16,000円になります。機械式駐車場がある場合は、駐車場の台数を何戸で割るかにより大きく変わりますが、仮に戸数分の駐車場がある場合は、1戸当たりおよそ7,000~14,000円かかります。
- 修繕積立金の平均は10,783円
- 20戸以下のマンションの場合、修繕積立金の平均は12,328円
- 20階建以上のマンションの場合、修繕積立金の平均は14,692円
戸数が少ないと修繕積立金が高くなる理由は、管理費と同じように1戸あたりの負担割合が大きくなるからです。一方で、20階建以上の修繕積立金が高くなる理由は、足場のような仮設工事が大掛かりになることが原因です。
- 外壁の塗り替え
- 屋上の防水処理
- 事故や災害による修理
- 共用スペースの修理
マンションが新築で販売される段階では、長期修繕計画と修繕積立金の額を購入予定者に提示していますが、修繕積立金の当初月額が著しく低く設定される例もみられます。そういったマンションでは後々毎月納める修繕積立金が高くなるので、中古マンションを購入する時は、修繕積立金の過不足を確認するようにしましょう。
固定資産税
固定資産税とは、土地や家のような固定資産を所有している人に課される税金のことです。区分マンションでも、マンションの敷地を一部所有しているので、課税対象となります。マンションを購入したら、どの程度の固定資産税がかかるのか、事前に調べておきましょう。
固定資産税を計算するためには、まず初めに固定資産台帳に記載されている固定資産価格を確認する必要があります。固定資産台帳は自治体により管理している場所が多少異なりますが、主に市区町村の役所で閲覧することが出来ます。納税義務者や相続人などの関係者であれば固定資産台帳を閲覧できます。
固定資産価格の70%程度を基準として、その1.4%が固定資産税となります。70%×1.4%を計算すると0.98%なので、固定資産税は固定資産台帳に書かれている固定資産価格のおよそ1%程度になります。ただし、1%という数字はあくまでも目安であり、実際には税理士などの専門家に確認してください。
マンション経営を管理業者に頼んだ場合の費用
投資用のマンションを購入すると、以下のような業務があります。
- 賃料の集金管理
- 入居者の募集
- クレーム対応
これら全て自分でするのは大変です。サラリーマンで副業としてマンションを経営している方にとってはなおさらですね。自分で全ての作業をしようとすると、遠方の物件を所有することも難しくなり、投資場所の選択肢が減ってしまいます。
しかし、マンションの管理会社に頼めば、上記の業務をすべて委託することができます。月額費用の相場は、賃料の2~6%程度です。少し高く感じるかもしれませんが、投資用のマンションを経営していくためには選択肢の一つです。管理会社は、マンション管理に関する豊富な知識と経験を持っています。購入予定のマンションがある地域に強い管理会社を選ぶことによって、管理だけでなく、賃料や入居促進策について提案してくれることもあります。
管理の仕事内容や、その意味については区分マンション投資における管理とはで詳しく解説しています。
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マンションの維持費は多く見積もっておく
マンションの維持費は、実際に必要な金額よりも多めに見積もっておきましょう。なぜなら、想定外のことが起きた時に対応できるようにしておく必要があるからです。入居者の有無に関わらず、マンション購入費のローン返済や、修繕積立金や管理費などの維持費は毎月必ず支払わなければいけません。また、購入したマンションの周辺環境の変化によって、その地域の家賃相場が下落する可能性もあります。
- 維持費には管理費・修繕積立金・固定資産税などがかかる
- マンション経営を管理業者に委託すると月額賃料の2~6%の費用がかかる
- 管理業務の仕事内容は区分マンション投資における管理とはで解説
- 管理業務を委託せずに自分でやりたい人向けに大家カフェとはどんなサービス?で解説
一度マンション投資を始めると、長期間マンションを経営することになるので、ご自身の生活環境の変化も考えておく必要があります。結婚して子供が産まれることによって出費が増える可能性もありますし、転職によって年収が下がることもあるかもしれません。また、病気やなどのリスクも0ではありません。現在想定していないことが起きる可能性を十分にあります。このように想定外のリスクに備えて維持費を多めに見積もっておけば、想定外のことが起きた場合も、焦らず柔軟に対応することが可能です。
マンション投資のリスクについてはマンション投資のリスク!対策すればリスクは怖くないで詳しく解説しています。リスクをしっかり把握して、マンション投資を成功させましょう。