オリンピック延期の影響もあり、あちこちで空きテナントも増え、商業用不動産の価格は不安定になっています。とはいえ居住用の中古マンションにも影響があるのでしょうか。この記事ではオリンピックの影響で中古マンションの価格はどうなるのかについて解説しています。
2019年までは高値で推移していた
オリンピック延期発表前まで中古マンションは高価格帯で推移していました。
(参照:首都圏不動産流通市場の動向(2019年) 公益社団法人東日本不動産流通機構)
10年前と比較すると約40%価格が上昇しており、この間は右肩上がりで推移していました。中古マンションの価格が伸びていた理由は大きく分けて3つあります。
- 世界的な好景気
- 日本銀行の金融緩和による物価上昇
- 東京オリンピックの開催決定
特に2013年以降はアベノミクスと呼ばれる経済対策により、お金が不動産市場に流れてきて、首都圏を中心に中古マンションの価格が上がっていました。
しかしながら、2020年に当初開催される予定だった東京オリンピックが延期されることが発表され、中古マンション市場の価格上昇に歯止めがかかりそうです。
もちろんマンション価格はオリンピックだけに影響されるわけではありません。日本の人口などを踏まえてマンション投資を始めるべきかをマンション投資は人口減少するから危険?で解説しています。
東京オリンピック延期で相場が下落する可能性
東京オリンピック延期の発表で、今後の中古マンションの価格は落ち着く可能性は高いでしょう。
- 2021年の開催も不透明のため、先行き不安から相場が下落
- 中古マンションを購入する層の投資余力が少なくなるため、需要が減少
- 景況感の悪化により、需要が減少
東京オリンピックの2021年の開催も不透明
東京オリンピックは2021年の開催が発表されました、現実的には本当に開催できるか不透明です。
中古マンションの賃貸需要についても、開催されるかわからない東京オリンピックのために借りようという意欲が薄くなってくる可能性が高いです。
中古マンションを購入できる投資家の投資余力が少なくなる
投資家の投資余力が少なくなり、中古マンションの購入意欲が削がれる可能性が高いです。
2020年1月17日には24,115円だった株価が2020年3月19日には16,358円まで下落しており、株式市場は不安定な状況が続いています。
景況感の悪化により需給バランスが悪化
景況感が悪化して、需要が減少することも中古マンションの相場が下落する要因の一つとなります。
さらに、選手村の再開発を担当している「HARUMI FLAG」は計4,000戸以上のマンションを住宅として供給する予定でしたが、2020年3月下旬に予定されていた販売は延期され、今後の販売再開も未定となっています。需要が減少している中、多数のマンションの販売が延期されているため、マンションの供給過多で不動産相場が下落する可能性が高いでしょう。
中古マンション相場が下落したら購入しやすくなる
このように中古マンション相場は今後下落する可能性が高いです。
- 中古マンション投資家にとっては物件価格が買いやすい水準まで下がる
- 今後もインフレになる可能性が高く、中長期的に見れば相場が上がる可能性が高い
短期的には東京オリンピックの延期による不安感から中古マンションの価格は下落する可能性は高いです。
中古マンションなどの不動産はインフレに強い資産で、物価が上がると中古マンションの価値も上がります。
どこのエリアのマンションを買うべきかは、オリンピック後でも中古マンションの価値が下がらないエリアで解説しています。
東京オリンピックの延期はチャンス!
東京オリンピックの延期によって、中古マンションの価格は下落する可能性が高いです。
これから中古マンション投資を始めようという方は下記の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
追記:2020年11月26日に発表された住民基本台帳人口移動報告によると東京都からは転出が増える一方で、埼玉・千葉・神奈川など東京都に隣接している県の転入が増えています。
コロナの影響で地方移住が進むという意見もあります。しかし2020年10月時点では、東京からの転出は増えてはいるものの、東京圏の移動にしかなっていない可能性があります。
また沖縄・福岡・北海道などは転入が増えており、リゾートワークなどに興味関心が高まっている可能性がありますね。地方移住に関心がある方は下記の記事をご覧ください。