悪意を持って騙そうとする詐欺行為を見抜くことは難しいと思います。とはいえ「詐欺に騙されるかもしれないから一切投資をしない」というのも勿体ないですよね。この記事ではマンション投資にありがちな詐欺をまとめています。詐欺行為にはいくつかのパターンがあるので、マンション投資に特有の詐欺を理解できれば、詐欺を見抜きやすくなります。なので「騙されたくない!」という人は最後まで読んで、詐欺の手口をしっかり把握しておきましょう。
手付金詐欺
手付金詐欺とはマンション投資家から手付金を集めて、持ち逃げするという手口です。手付金とはマンションを購入する際に、物件価格の10%前後を不動産会社に前もって渡す行為のことをいいます。手付金詐欺の場合、魅力的なマンションを紹介して、多くの不動産投資家を勧誘し、一定の金額が集まったら音信不通になります。
- マンションの利回り・築年数・価格があまりにも良すぎる
- 不動産会社がほとんど聞いたことのない新しい会社
- マンションの所有者である売主に会わせようとしない
これらの条件に複数該当したら、手付金詐欺の可能性があります。
レントロール詐欺
レントロールとは貸しているマンションの条件を記載した書類です。レントロールに虚偽の物件情報を記載して契約させるのがレントロール詐欺です。
- 部屋番号と賃料
- 共益費
- 部屋の面積
- 敷金・礼金などの保証金
レントロール詐欺には手口がいくつかあります。
- 嘘の家賃が記載されている
- 売主側がサクラに入居させ、売買が決まったら一斉に退室する
嘘の家賃が記載されていた
レントロール詐欺の代表的なものの一つとして、嘘の家賃をレントロールに書いて契約させる手口があります。例えばレントロールには「6部屋×家賃6万円で入居済み」と記載をして、実際に契約するときには「6部屋×家賃4万円」となっていたというケースです。レントロールと契約書で内容が異なっており、見逃すと大きなトラブルになります。契約書を注意深く確認することで、防ぐことができます。心配な方は弁護士にリーガルチェックをしてもらうのが良いでしょう。
売主側がサクラを入居させる
売主側がサクラに入居させることで満室にし、契約が決まったら一斉に退去させるという手口も多いです。入居してから短いというケースが多いため、入居者の属性や月数を確認しておくのが良いでしょう。 この時、フリーレントで入居させているケースも珍しくありません。フリーレントとは「入居後1~3か月は家賃を無料とする」という契約です。「フリーレントを解約した場合は違約金を請求する」という特約を付けている場合は問題ありませんがが、買主を騙す目的でフリーレントで入居させているケースもあるので注意が必要です。
サクラが入居している場合、購入後すぐに空室となる可能性が高いです。マンションを購入する際はいつから・どんな人が・どんな契約で入居しているのかをしっかり確認しておきましょう。
- レントロールの作成日が最近
- 周辺の家賃相場と大きく異なる
- 満室経営が続いていると主張
複数当てはまる場合はレントロール詐欺である可能性があります。レントロール詐欺の被害に遭わないためにも以下3つの対策を実践しましょう。
- 「レントロールに虚偽の記載があったときは契約停止」にする契約を結ぶ
- 入居者の居住年数を確認する
- 周辺の家賃相場を確認する
このように対策することによって、レントロール詐欺による被害を最小限に食い止めることができます。見かけの情報に騙されないよう家賃相場などをしっかり確認することでレントロール詐欺を見抜きやすくなります。
海外不動産投資詐欺
海外不動産投資は多様な詐欺があります。いずれも海外に逃げられると追いかけづらくなることや、海外不動産の知識の無さに付け込んだ手口になっています。
- 持ち逃げ
- ポンジスキーム
- 原野商法
持ち逃げ
海外不動産投資詐欺で多いのは不動産の契約途中または契約終了後に持ち逃げする手口です。
- 手付金を払ったとき
- 契約金を払ったとき
お金を払ったタイミングで音信不通となり、物件の売買はされないまま、お金だけ持ち逃げされる手口です。このような詐欺を計画する人は、どうすれば信用してもらえるかを知っています。そのため見た目だけで信用してはいけません。
- 都内でセミナーを開く
- 綺麗な事務所を構える
- おしゃれなホームページを作る
このような手口で信頼を高めておいて、実際にお金を支払ってもらったら、音信不通になります。信頼できる不動産業者と取引したいというマンション投資家の心理を逆手にとった詐欺行為です。
ポンジスキーム
ポンジスキームでの詐欺行為も横行しています。
- 出資者高利回りの投資物件としてお金を募る
- 配当を運用益ではなく、周りから集めた出資金で払う
- 一定の資金が集まったら、配当を出さなくなる
ポンジスキームは海外マンション投資でよく使われる手口です。
- 見込みのないマンションにも関わらず高い家賃収入が出るといって購入させられる
- 最初は高い利回りが振り込まれる(実際には運用していない)
- そのうちお金が振り込まれなくなる
- 収益の見込みがないマンションだけが残る
原野商法
原野商法とは、ほとんど価値のない土地を「将来価値が出る」と騙して販売する手口です。海外不動産では「リゾート計画が進んでいる」と言われて買ったのに、その予定が全くないことで被害に遭うことが多いです。海外不動産では、投資家が土地の価値が分からない場合が多いため、騙されやすいです。
情報の少なさから詐欺が多い!知識や語学力がなければ危険
海外不動産投資は国内よりも詐欺が多いです。なぜなら、知識や語学力が不足しているので、情報の真偽が分からず不動産業者頼みになるからです。
- 周辺の家賃相場が分からない
- 需要がありそうな土地か分からない
- 現地の入居者が分からない
それでも海外不動産に投資したいという方は以下の3つの事項を必ず守りましょう。
- 確実に信頼のある不動産業者とのみ付き合う
- 現地の土地・家賃相場を調査する
- 現地の法律を確認し、契約書に漏れがないようにする
地面師による詐欺
地面師とは他人になりすまし、土地やマンションを第三者に販売するというケースです。土地やマンションの取引に必要とされる書類を偽造しているため、書類だけでは見抜くことが難しいです。
- 権利証
- 印鑑証明書
- 実印
- 免許証
- パスポート
地面師は組織的に詐欺を計画する場合が多いです。
- 首謀者
- 売主に成りすます人間
- 書類を偽造する人間
- 登記をする司法書士
- 不動産の売買を行う不動産仲介会社
このように役割を分担してグループを構成し、10人前後で組織的に詐欺を遂行しています。技術の発展により書類の偽造を簡単にできるため、詐欺を見抜くことは難しいです。対策方法として挙げられるのが以下の2点です。
- 売主の自宅に直接行って、住んでいるところを確認する
- 第三者の不動産相談者や弁護士などに相談する
地面師詐欺の場合は書類の偽造はしていても、自宅までは用意していないケースが多いです。もし地面師詐欺だった場合は自宅の確認を促すことで、違和感に気づくことができます。
主観的な判断は危険!
今回はマンション投資の詐欺事例と見抜き方について解説しました。マンション投資は大きな金額が動くため、詐欺行為も数多く存在します。投資に慣れている方でも詐欺にかかる可能性は十分にありますので、詐欺にあわないためには第三者の信頼できる不動産業者や弁護士に相談することが一番です。大きなお金が動くと冷静さを保つことが難しくなるため、客観的・冷静的に第三者に確認してもらいましょう。